365: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/03(土) 03:48:33.20 ID:rBI88CKnO
研究チームに一気に緊張が走った。
次に科学班が本格的な解剖に入る。
骨格、内臓共に、表向きの構造はほぼヒトと合致した。
366: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/03(土) 03:50:10.07 ID:rBI88CKnO
「たまたまそうだっただけかもしれないけど…あの艤装は間違いなく叔父さんだったよ。
私達にしか分からない事話して、最期ね…ちゃんと叔父さんの声で話してくれたんだ。
とどめを刺した時、返り血があったかくて…こうして起きた今も、ありありと思い出せるの。
367: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/03(土) 03:51:16.55 ID:rBI88CKnO
今回はここまで。
368: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:01:56.97 ID:kxRu56uZO
普通の生活に戻る許可が出たのは、翌日でした。
でも旗艦への命令違反と言う形で、ジュンから3日間の出撃停止を言い渡されたのです。
私を休ませる為の、便宜上の処分みたいですけどね。
一緒に出撃した仲間たちからも、「休ませてあげた方がいい」と打診があったとの事でした。
369: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:02:41.50 ID:kxRu56uZO
“戦艦棲姫だ!”
“青葉!今だ撃て!”
370: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:03:36.70 ID:kxRu56uZO
「…………!!」
悪い夢を見たけど、叫び声すら上げられませんでした。
371: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:05:02.63 ID:kxRu56uZO
冷えた体を暖めるよう、お風呂を勧められました。
私はそう言われて、一緒に入ってと懇願したのです。
……今は血のぬくもりを思い出しそうで、とても怖かったから。
372: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:06:28.26 ID:kxRu56uZO
行為の最中に歯や爪を立てるのは、私なりの独占欲の表れでした。
でも、私が与えた痛みや傷が彼の感情を呼び戻したのは…今はもう、ふたりの中では確かな事でしたから。
噛み付いた血の味だけは、あんな事が起きた今でも怖くない。
爪の間に食い込む肌も、ぬるりとした血の感触も、何もかも愛おしくて。
373: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:07:06.45 ID:kxRu56uZO
「………その時はジュンの手で、私を殺して。
374: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:07:47.04 ID:kxRu56uZO
不安や恐怖に駆られた人間は、自分の事しか考えられないのかもしれません。
もしくは……私がクズなだけなのでしょう。
この時私は精一杯の笑顔で、痛々しいお願いを囁いたのでした。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20