371: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:05:02.63 ID:kxRu56uZO
冷えた体を暖めるよう、お風呂を勧められました。
私はそう言われて、一緒に入ってと懇願したのです。
……今は血のぬくもりを思い出しそうで、とても怖かったから。
初めはシャワーの感覚にゾッとしそうになったけど、髪を洗ってくれる手が、それを溶かしていく。
その後二人で湯船に浸かりながら、私はずっと彼の胸にもたれていました。
人肌は血に近い温度でも、あの冷たい感じは全くなくて。
そのぬくもりに溺れている時、ようやく怖さを忘れる事が出来ました。
同じベッドに入ると、私は彼に近付いて…手首の傷が残る左手を掴んで。
くちびると舌を傷に這わせれば、脈拍の振動が伝わって。
ただ彼の命が今もある事。それが嬉しくて。
「ジュン……おねがい、して?」
縋り付くように腕を絡めて、私はそう囁いたのでした。
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