365: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/03(土) 03:48:33.20 ID:rBI88CKnO
研究チームに一気に緊張が走った。
次に科学班が本格的な解剖に入る。
骨格、内臓共に、表向きの構造はほぼヒトと合致した。
違いは二つ。
頭蓋骨が薄い膜状骨との二重になっていて、それが各種別で角や同じ顔を有している理由。
後は、生殖機能が飾りだって事ぐらいだ。
次に…本格的なDNA鑑定に入った。
結果は多様な海洋生物と……それとヒトのものも含まれていた。
『特に骨格からは多く』ヒトのものが出たらしい。
それを行方不明者リストに照合すると、何人か合致したって噂になっているよ。
……PT子鬼と俺達が呼んでる個体を、知っているだろう?」
「う、うん……。」
「ある国の軍が、倒した子鬼を何体か回収し、解剖とDNA鑑定をした。
丁度開戦から2年経った時期か……その国でも初襲撃の時、民間船が何隻か犠牲になっていた。
その中には遠足に出ていた小学生達が乗る船もあったらしい。
発見出来なかった遺体には、特に子供達のものが多くてね。
DNA鑑定の結果は………言わずもがなって噂だよ。」
「…………っ!?」
「……まぁ、あくまで噂話だ。だが仮にそれが真実だとするなら、こうも言える……。
殺す事が、肉体の本来の持ち主を開放する事でもあると。」
そう言うと、彼は私の手を掴んで。
暖めるように、優しく包んでくれたのでした。
それはせめてもの気遣いだったのでしょう。
……ジュンはきっと、私が何を思っているのか分かってくれるでしょうから。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20