11: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:35:35.36 ID:oTabk5kGO
ある日の事でした。
姉妹艦でもある、同僚の衣笠からある噂を聞いたんです。
「青葉ー、聞いた?○○鎮守府の提督が行方不明だって。」
12: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:37:32.15 ID:oTabk5kGO
その日の夜、何となく執務室に行ってみました。
最近は大した用事が無くても、少し顔を出すようにしていて。
表向きは尻尾を掴んでみたいって考えでしたけど…実際のところ、やっぱり気になっていたんだと思います。
遠い目をしている時の司令官は、まるでどこにもいないみたいで。いつもの表情も相まって、少し心配だったんです。
13: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:38:45.04 ID:oTabk5kGO
その後眠る前に、青葉はスマホの音楽アプリを立ち上げていました。
それでネットで、1曲だけ購入してみたんです。今日もやっぱり流れていたあの曲を。
ひとりでじっくり聴けば、この曲が好きな司令官の事を、もっと理解できるんじゃないかって。
子供の頃、父が車で掛けていた時は、何だか怖い曲だって印象しかありませんでしたけど。
14: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:39:59.55 ID:oTabk5kGO
それで何度もリピートしてるうちに、寝落ちしてしまって…そのまま、夢を見ました。
曇り空の海と、原っぱと砂浜と。それ以外何も無い世界。
誰もいないし、周りは自然しかないのに、全部が無機質に思えました。
15: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:43:46.16 ID:oTabk5kGO
「んぁ…夢かぁ。」
そこで目が覚めました。
でも、夢って不思議ですねぇ…起きた時、あくびとは別で涙が伝ってたんですから。
16: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:45:05.44 ID:oTabk5kGO
休日に出掛ける時は、まず窓を開けてみます。
それでその日の天気と気温を見て、それから服を決めるんです。
今日は…ああ、曇りだし、結構冷えてるなぁ。
何かあったかくて可愛いのあったかな…メイクと髪は…って、デートじゃないんだから!あんまり気合入れすぎると、ガサにからかわれちゃうなぁ。
あ、でもかなり時間あるなぁ…つ、爪ぐらいは塗っても…。
17: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:46:36.62 ID:oTabk5kGO
駐車場に来てくれって言われていたので、青葉は指定された車を探していました。
えーと…あ、あれだ!もう乗ってる、待たせちゃったかな。
「すいません!遅れちゃいましたぁ!」
18: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:48:36.75 ID:oTabk5kGO
「メニュー見てるだけでも美味しそうですねぇ、ここにはよく来られるんですか?」
「普段は一人でね。コーヒー飲みに来る事の方が多いけど。ここでぼーっとしてるのが好きでさ。」
「おや、元カノさんとは来なかったんですか?」
19: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:49:45.62 ID:oTabk5kGO
「司令官!ご馳走様でした!」
「どういたしまして。あ、そうだ。少し食休みに歩かないか?」
20: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/13(木) 07:51:25.81 ID:oTabk5kGO
岩に乗って、そしたら強い風が吹いて。
やっと目を開けた時、青葉の中を既視感が駆け抜けて行きました。
“あれ?ここって…”
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