新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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643: ◆8zklXZsAwY[sage]
2018/07/08(日) 21:20:10.34 ID:Wqc3ZOPPO

 挑発的にも聴こえる永井の訴えを、戸崎はなかば感情的に退けようとした。そのとき、中野がぐっと膝から立ち上がり、「なあ!」と叫んだ。銃口が中野に向いた。中野は怯まず、戸崎に話しかけた。


中野「おれは難しいことはよくわからない。けど、これだけは言える。おれたちは、何がなんでも佐藤を倒してみせる」
以下略 AAS



644: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:20:57.85 ID:Wqc3ZOPPO

「あ、出てきたぞ」


 病院前を包囲していた警官が、入口から出てきた黒服に気づいてパトカーの陰から身体を出した。
以下略 AAS



645: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:22:20.86 ID:Wqc3ZOPPO

 タクシーからおりるときになってようやく、アナスタシアはスニーカーをはいた。料金を支払い、女子寮から飛び出したときと同じように駆けていく。眩いなかを走って行くと、すぐに汗が吹き出す。かまわず走り続け、薬局を通りすぎ、病院の裏口へと向かう。

 駐車場にはぽつぽつと数台の車が残されているばかりで、そのおかげか、裏口のすぐ側にスペースを無視して横付けされた車があるのを一目で見てとれた。

以下略 AAS



646: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:23:52.48 ID:Wqc3ZOPPO

 自動ドアが開き、裏口から永井が歩いて出てきた。顔に陽光があたったのか、足をとめて眩しそうに手をかざそうとしたが、光線はおもったより強くなく、永井はすぐにまた歩き出した。

 永井がアナスタシアを見つけたのは、アナスタシアが二歩目を蹴り出したそのときで、光り輝く銀髪がぱっと持ち上がり、風に流されようとするその瞬間、アナスタシアは永井と眼があった。アナスタシアは驚きのあまり足を止め、立ちぼうけてしまった。

以下略 AAS



647: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:25:11.99 ID:Wqc3ZOPPO

 引っ張られでもするかのように、永井を追いかけようとアナスタシアの身体が傾いた。

 永井のあとに続いて、中野、その後ろに戸崎と下村が病院から出てきた。下村の輪郭が陽光の下に出てくるまえに、アナスタシアはあわてて近くに停めてあった車の陰に隠れた。

以下略 AAS



648: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:26:11.43 ID:Wqc3ZOPPO

 アナスタシアは何があったのかさっぱりだったが、しばらくして永井が仲間を求めていたことを思い出した。まるで信じられなかった。よりにもよって、自分を追いかけ、捕獲し、切り刻んできた相手を仲間にしようだなんて。

 アナスタシアはあきれたように大きく息をはいて、それ以上考えるのをやめた。とにかく、永井は無事だった。いまはそのことに安心しよう。

以下略 AAS



649: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:29:12.00 ID:Wqc3ZOPPO

 戸崎との交渉で得た戦力、アナスタシアを加えると亜人は計四人。佐藤グループと比べると一人少ないが、地の利を得、駒を的確に運用すれば問題はないだろう。

 永井はひとまずこの事実に安心感をおぼえ、具体的なプラン立案は後回しにすることにした。気持ちを涼しさを堪能するほうへ回し、永井はなんとなしに外を見やった。

以下略 AAS



650: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:38:42.43 ID:Wqc3ZOPPO
今日はここまで。

アーニャのパニクりようは、映画『ソーシャル・ネットワーク』でハーバード・コネクション依頼していたのに勝手にフェイフブックとして立ち上げられたことに気づいたマックス・ミンゲラのパニクり演技を思い浮かべながら書きました。

キャラクターを逸脱してでもアーニャに「ハァ?!」って言わせたいなと思ってたんですが、想像以上にスラップスティックになりました。
以下略 AAS



651: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:03:44.81 ID:z5kRHM0CO
8.楽しかったよ、息子たちを見てるようで


「機械に体をはさまれたのです」と訪問者はやっとのことで、低い声で言った。
「機械に体をはさまれた」とホワイト氏は鸚鵡返しに言った。「そうですか」
以下略 AAS



652: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:05:31.77 ID:z5kRHM0CO

 血溜まりは家のなかにもある。カーペットや壁紙、ドアや家具などに血が飛び散っているのは、屋外の銃撃戦を聞きつけた護衛の警官が応戦のため動いているところを撃ったからだ。至近距離での銃撃戦によって、部屋のなかはものが散乱していた。家具はもとあった位置からおおきくずれ、ランプや椅子は倒れている。観葉植物の葉っぱはところどころ赤い。

 部屋の中央に帽子を被った男──佐藤が立っていた。撃ち殺したばかりの標的を見下ろしたのは一瞬だけ、首を左に動かすと、月の光が射し込んでいるキッチンのほうへ視線を向けた。りりりりり、という虫の音が聴こえた。

以下略 AAS



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