新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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648: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:26:11.43 ID:Wqc3ZOPPO

 アナスタシアは何があったのかさっぱりだったが、しばらくして永井が仲間を求めていたことを思い出した。まるで信じられなかった。よりにもよって、自分を追いかけ、捕獲し、切り刻んできた相手を仲間にしようだなんて。

 アナスタシアはあきれたように大きく息をはいて、それ以上考えるのをやめた。とにかく、永井は無事だった。いまはそのことに安心しよう。

 立ち上がり、帰ろうとするアナスタシアはふといやな予感をおぼえ、慌てて財布を取り出した。予感はあたっていた。タクシー代を支払ったため、お金はほとんどのこっていなかった。

 財布を手に持ったまま、アナスタシアはその場にへたりこんだ。残暑がまだまだ厳しいなか、歩いて帰らなければならなくなったからだった。


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