新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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644: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:20:57.85 ID:Wqc3ZOPPO

「あ、出てきたぞ」


 病院前を包囲していた警官が、入口から出てきた黒服に気づいてパトカーの陰から身体を出した。

 平沢を先頭に、黒服たちは悠々とした態度で歩いていった。警官たちは上官の(黒服は偽のIDを用意し、現場到着時に彼らに見せていた)そうした態度にすこし安堵した。すれ違いざま、平沢は警官に向かって言った。


平沢「容疑者は確保した。あとはこっちでやる」


 その一言に警官たちの緊張は溶けるようになくなっていった。亜人テロの対応。どう考えても、命がいくつあっても足りない。


「ところで、ほんとうに永井圭でしたか?」


 警官のひとりが額に汗を滲ませながら尋ねた。平沢は警官のほうをちらと振り返った。


平沢「いや別人だ。似てるだけのな」


 そう言われた警官は制帽を脱ぎ、額の汗を腕で拭った。



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