645: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:22:20.86 ID:Wqc3ZOPPO
タクシーからおりるときになってようやく、アナスタシアはスニーカーをはいた。料金を支払い、女子寮から飛び出したときと同じように駆けていく。眩いなかを走って行くと、すぐに汗が吹き出す。かまわず走り続け、薬局を通りすぎ、病院の裏口へと向かう。
駐車場にはぽつぽつと数台の車が残されているばかりで、そのおかげか、裏口のすぐ側にスペースを無視して横付けされた車があるのを一目で見てとれた。
警察車両ではない。一般車両だとしたら、あんなところにあるのは不自然。あの車は亜人管理委員会の誰かが乗ってきた車だとアナスタシアは考えた。おそらく、戸崎という人が病院に来てるはず。そうなると、あの亜人の女の人もここにいる。黒い幽霊で戦うことになるかもしれない。
アナスタシアは深呼吸をした。ながく息をはき、まっすぐ裏口を見据える。覚悟をあらたに一直線に駆け出そうと一歩目を踏み出す。
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