新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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593: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 22:29:49.05 ID:7BzTB0Y9O

 アナスタシアは充電器をそっと手に取り、自分のスマートフォンに差し込んだ。画面が明るくなり、アナスタシアの顔を照らした。不在着信の数は百近い。そのひとつひとつを確認していきたかったが、眠気が限界に近い。

 アナスタシアはあきらめて座席に横たわると眼を閉じた。暗闇がいっぱいになる。永井と中野、ふたりの寝息が規則正しいリズムで重なっている。アナスタシアもふたりの寝息にあわせて息をする。心臓の音すらも、呼吸にあわせているかのようだ。やがて、ふたつに重なっていた呼吸の音は、暗い車中でみっつに重なっていた。

以下略 AAS



594: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 22:40:58.35 ID:7BzTB0Y9O
今日はここまで。

ほんとはもっと先まで書いてから投下するつもりでしたが、前回から二ヶ月経ちそうだったんできりがいいと思うところまで投下しました。

話が全然進んでないので、短めのをこまめにあげてくスタイルにしたほうがよいのかしらと考え??います。
以下略 AAS



595:名無しNIPPER[sage]
2018/04/18(水) 21:11:15.80 ID:l9KsL7Sw0
おつ。「たくさん!」の出だしが亜人としか聞こえないの思い出した


596: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:54:35.68 ID:HRQM2WMiO

 手の中の振動がアナスタシアの目を覚ました。

 曙光が空に筋を描いて街を明るくするにはまだすこし時間があったが、あたりの暗闇は淡くなりはじめていた。もののかたちがぼんやりと見えてくる。輸送トラックが高架線を走る音が聞こえた。近くの踏切はまだ沈黙している。

以下略 AAS



597: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:55:55.88 ID:HRQM2WMiO

 座席に正座するように膝をついていたアナスタシアは、これまでの経緯をどうやって説明すればいいのかさっぱりわからないでいた。

 高架線ではトラックが相変わらず行き来していたし、始発電車も動き出している。窓の外に眼をやれば、踏み切りの色、黄色と黒の縞模様が淡くなった薄闇のなかに浮かんでいるのが見える。ランプが赤く光ると、周囲の薄闇は青みがかっているように見えた。

以下略 AAS



598: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:57:15.64 ID:HRQM2WMiO

 いくつかの案を提示する前にアナスタシアは最初のひとつに飛びついた。その性急さが永井には考え無しにみえ、勝手に困ってろといわんばかりにまた眼を閉じて二度寝した。電話口の向こうでは、当然プロデューサーが事態を把握しようと質問攻めをはじめるが、見切り発車の発言に首を絞められたアナスタシアは返答に窮している。 

 中野が首をのばしてアナスタシアをうかがっている。中野は永井の肩をこづいて起こそうとするが腕を払いのけられる。

以下略 AAS



599: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:58:27.69 ID:HRQM2WMiO

 得々とした中野の語りにアナスタシアは眼を見張っていた。それはプロデューサーも同じで、ここまで話を聞いたときにはもう中野のペースにはまっていた。

 打ち解けた感じのする通話が続いたと思ったら、中野がスマートフォンをアナスタシアに返してきた。

以下略 AAS



600: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:59:41.72 ID:HRQM2WMiO

アナスタシア「プロデューサー……その、ミナミはどうしてますか?」


 いちばんの心配ごとを口にした。口にした途端、自分の言葉にうぬぼれが滲んでいないか不安になった。
以下略 AAS



601: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 22:01:22.24 ID:HRQM2WMiO

武内P『それは……あとで話したほうがいいでしょう』


 プロデューサーは苦しげに言葉を濁して通話をおえた。
以下略 AAS



602: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 22:05:08.82 ID:HRQM2WMiO

中野「あそこに食堂があるぜ」


 言いながら中野は顎をしゃくって前方にふたりの視線をうながした。張り紙がしてある古びれたサッシの引き戸、ひさしのうえに掲げられた年月に晒されくたびれた白地の看板には色褪せた赤い字で食堂の名称が書かれている。ひと気のない観光地の路地にひっそりとたたずむ商品替えもしたことないようなみやげ物屋、そういう印象を与える食堂だった。
以下略 AAS



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