新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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597: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 21:55:55.88 ID:HRQM2WMiO

 座席に正座するように膝をついていたアナスタシアは、これまでの経緯をどうやって説明すればいいのかさっぱりわからないでいた。

 高架線ではトラックが相変わらず行き来していたし、始発電車も動き出している。窓の外に眼をやれば、踏み切りの色、黄色と黒の縞模様が淡くなった薄闇のなかに浮かんでいるのが見える。ランプが赤く光ると、周囲の薄闇は青みがかっているように見えた。

 アナスタシアはこれらの音のせいで、プロデューサーに居場所がバレるのではないかと不安になった。下手にしゃべったら秘密にしておかなければならないことも口に出してしまいそうだった。アナスタシアは悩んだあげく通話口を手のひらで押さえると、顔を突きだし永井に助けをもとめた。


アナスタシア「どうしよう?」

永井「知るかよ」

中野「おまえのせいで困ってんだろ」

永井「じゃあ、遭難してたとか……」

アナスタシア「遭難してました!」




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