396: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:53:38.47 ID:jvW3su8lO
自販機の硬化投入口の横の電光板がちかちら光っていた。四桁の数字が揃い、当たりの表示がされている。
アナスタシアは思いきってきなこ味のスタミナドリンクに人差し指を伸ばした。これを話題にして、果敢にも凄まじく居心地の悪いこの場の空気をすこしでも良くしようとしての行動だったが、先に永井の指が音もなく伸び、同じ缶コーヒーのボタンを押した。
取り出し口に手を伸ばす永井を見下ろしながら、アナスタシアはいじけたようにボソッとつぶやいた。
397: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:55:43.75 ID:jvW3su8lO
永井「神崎さんは?」
蘭子「はひっ!?」
398: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:57:55.97 ID:jvW3su8lO
三人はラウンジにある円形ベンチに腰掛け、ドリンクを飲み始めた。
永井は飲み物を奢った時点でさっさとその場を離れたかったのだが、アナスタシアが蘭子を怖がらせた分はきっちり埋め合わせをしろと視線で告げていたし、永井自身も必要のない感情を蘭子にも見せてしまったことに多少の申し訳なさも感じていた。
399: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:59:13.85 ID:jvW3su8lO
蘭子「分け身たる黒き従者はやはり不可視であったか」
休憩時間がもうすぐ終わろうというとき、蘭子が残念そうに言った。
400: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:01:09.14 ID:P+sjA4XXO
アナスタシア「オイ!」
ロシア語で驚きの声をあげながら、アナスタシアは背中で蘭子に覆いかぶさり咄嗟にIBMを発現した。
401: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:02:51.28 ID:P+sjA4XXO
蘭子「星光りの如き十字架よ!」
蘭子の瞳も星のように輝いていた。
402: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:04:45.55 ID:P+sjA4XXO
番外編そのB
アナスタシア「ラッキースケベ、という言葉があります」
403: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:06:05.10 ID:P+sjA4XXO
アナスタシア「衣装室、いきなり開けたらダメ、ですよ?」
永井「それくらいの常識はマンガじゃなくて親に教えてもらえよ」
404: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:07:34.06 ID:P+sjA4XXO
愛梨はバニースーツに身を包んでいた。肩を露出した赤いボディスーツの前は黄色いボタンで窮屈そうに留められていて、足ぐりのあたりには黒いフリルが舞っていて、お尻のほうにも黒くて丸い尻尾飾りが整ってついている。網タイツに包まれた脚が伸びている先にあるハイヒールもスーツと同じ赤色で、ウサギの耳をかたどったヘアバンドや蝶ネクタイなど、バニーガールにお馴染みの装飾もしていたが、カフスはなく左手首に金色のブレスレットを二つつけていた。
アナスタシア「プリヴィエート、アイリ。ウサギさん、ですね?」
405: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/13(日) 00:08:59.57 ID:P+sjA4XXO
永井は手帳を取り出し、この後のスケジュールを確認した。愛梨の女性らしい丸みをおびたボディラインを強調する姿を見ても、永井にこれといった感想はなく、バストがおおきくなったかもとこぼす愛梨に、体型維持は大変ですね、と永井は手帳に目を落としたまま淡々と言った。
その返答はどうなのかと思いつつ、アナスタシアはこれほどふわふわしてセクシーな愛梨を前にしても普段と変わらない態度をとるケイは、さすがにミナミの弟だなと思ったりしていた。
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