モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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342: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:40:40.70 ID:nZ3oq+wSo

 奈緒の足を縛り付け、ふくらはぎへと這い上がってくるのは彼女自身慣れ親しんだ黒い泥であった。
 そしてふと周りをよく見れば、歩道全てが氾濫したように泥が充満している。

『ダレカキタ』
以下略 AAS



343: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:41:29.65 ID:nZ3oq+wSo

 そしてその獣たちの斉唱は少女には聞こえていない。
 どうやら徹底してウルティマの眷属たちは、自らの主を孤立させ続けるつもりなのだろう。

「くそっ!奈緒ちゃん!あたしの手を取れ!
以下略 AAS



344: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:42:01.08 ID:nZ3oq+wSo

『だから、ずっといっしょだよ。なおおねえちゃん。

ふたりでいっしょに、あたしとずっとあそぼう?』

以下略 AAS



345: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:42:51.00 ID:nZ3oq+wSo

 いくら奈緒が強靭な意志をもってこの領域に乗り込んだとしても、この世界の主はウルティマである。 
 その心象風景に踏み込んだ時点で奈緒はアウェーであり、胃袋の上に乗っているも同然なのだ。

 たとえ奈緒が抵抗を試みたとしても、大海に一滴落とされたに等しい奈緒という存在はすぐに飲み込まれてしまうはずである。
以下略 AAS



346: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:43:26.05 ID:nZ3oq+wSo

「そんなことは……わかってる。

この子を救いたい?それはあたしの傲慢かもしれない。同情かもしれない。

以下略 AAS



347: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:44:47.17 ID:nZ3oq+wSo

『ナンダ……コレハ?』

『シラナイ。ワタシタチハ、コンナノシラナイ!』

以下略 AAS



348: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:45:13.95 ID:nZ3oq+wSo

 奈緒が焦がれるものはあの日の幸せであるならば、当然ウルティマにとってのそれも同じである。
 奈緒にとっての幸せの基準がそれであり、記憶から忘れようとその価値観は決して一度も揺らいだことはなかった。

 いつもはこの風景は夢で見るだけで、奈緒自身に情報を持ってくることはできなかった。
以下略 AAS



349: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:45:51.06 ID:nZ3oq+wSo

「一緒に、パパとママを探しに行こう。

そしてもう一度、遊園地に行こう!」

以下略 AAS



350: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:46:20.10 ID:nZ3oq+wSo

 奈緒の耳に聞こえてくるのは少女を閉じ込めていた泥たちの断末魔の叫びだ。
 足元に纏わりついていた泥たちはすでに引いており、錆色の空の亀裂からは光が差し込んでいた。
 それは紛れもなく、この閉塞した世界の崩壊であり、ウルティマの意識がこの閉じた世界の『外』に向いたことを示していた。

以下略 AAS



351: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:46:49.95 ID:nZ3oq+wSo




『アアアアアアア『アアアア『『アアアア』アアアアア『アアアアアア!!!!』
以下略 AAS



352: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:47:43.92 ID:nZ3oq+wSo

 落ち行く影は声帯装置が元に戻り、完全に李衣菜である。
 その手には専用のエレキギターであり、シールドの先は自身へとつながれていた。

『聴かせてやれだりー!お前のロックを、このナンセンスな獣たちによ!』
以下略 AAS



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