モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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352: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:47:43.92 ID:nZ3oq+wSo

 落ち行く影は声帯装置が元に戻り、完全に李衣菜である。
 その手には専用のエレキギターであり、シールドの先は自身へとつながれていた。

『聴かせてやれだりー!お前のロックを、このナンセンスな獣たちによ!』

「おっけー!イッツ、ロックン、ロールゥ!」

 ギターから力強くかき鳴らされるパワーコードは拙くも心臓を響かせる波長を放つ。
 李衣菜自身につながれたエレキギターは、体を伝わって電気信号が増幅され、ロビー全体へと爆音が行き渡る。

「Yeaaaaaaaah!!」

 李衣菜のシャウトと共に響き渡るメロディーは、決して難易度の高い高度な曲ではなかったが、聴く者の心に響く魂の曲だ。
 その音響は、ソニックブームに近い衝撃を生み、逃げ惑うように這い出てきた泥たちの一切を弾き飛ばし、消滅させていく。

 泥は弾かれ、もはやウルティマを阻むものは精神的にも物理的にも存在しない。
 そこまでの道のりは既に一直線に開けており、ゆっくりと歩いていくことさえ可能であった。

『あ……あぁ……』

 小さく、呆然と立ち尽くすウルティマ。
 その心の枷は断ち切りはしたが、未だ身体は飢えと呪いに侵されたままであり、心は現実に追い付いていない。

 だからこそ、その呪いを浄化し、癒してやる必要があるのだ。

「もう、大丈夫だにぃ」



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