モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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353: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:48:15.71 ID:nZ3oq+wSo

 きらりは立ち尽くす少女にゆっくりと近づき、そのまま抱きしめる。
 その体は小さく、きらりの大きな身体に収まってしまう
 感じる体温は冷たく、強く抱きしめれば折れてしまいそうなほどに細い。
 故にその抱擁は優しく、ゆっくりとぬくもりを伝えるように穏やかであった。

「これから、きっとはぴはぴになれるように、きらりがはぐはぐしてあげりゅね!」

『……はぴ、はぴ?もう……ひとりじゃないの?もう、くるしくないの?』

 体に伝わってくるこれまでに感じたことのないぬくもりに、ウルティマの力は自然に抜けていく。
 これまでに抱えていた飢えも、苦しみも嘘のように消えていくのを実感していた。

「そうだにぃ。これからは、おねーちゃんたちがいっしょだよー☆」

『あった、かい……うぇ、うええええええええぇぇん!!』

 少女はきらりの腕の中で年相応に泣きじゃくる。
 すでに周囲一帯の泥は完全に蒸発しきっており、地獄は完全になくなっていた。
 破壊しつくされた同盟本部のロビーには光が差し込み、静かに少女を照らし出している。



 


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