モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:42:51.00 ID:nZ3oq+wSo
いくら奈緒が強靭な意志をもってこの領域に乗り込んだとしても、この世界の主はウルティマである。
その心象風景に踏み込んだ時点で奈緒はアウェーであり、胃袋の上に乗っているも同然なのだ。
たとえ奈緒が抵抗を試みたとしても、大海に一滴落とされたに等しい奈緒という存在はすぐに飲み込まれてしまうはずである。
「ダメだ……絶対に、これじゃダメなんだ。
これじゃ誰も救われない。誰も幸せになんてなれない。
……だったら、あの子には何が届く?『私(あの子)』がここから出る理由は、なんだ?」
すでに奈緒の半身は泥に沈んでおり、全く身動きはとれない。
それでも奈緒は思考を巡らせて、少女に手を伸ばすことを諦めていなかった。
このままで乗り込んだはずの奈緒の側が、ウルティマの泥に飲まれてしまうだろう。
もしくは奈緒自身が泥に対抗するために自らの『泥』をさらけ出せば、五分には持っていけるかもしれなかった。
だが決して奈緒はそれはしないだろう。
それはウルティマの世界を犯すことであり、少女の自我を崩壊へと道ぶくかもしれない危険な行為だ。
ウルティマを倒すという目的ならば、心臓部であるこの世界を壊せばそれで済む話。
だが奈緒の目的は倒すことではない。奈緒は小さく、泣き続ける少女を救いに来たのだ。
それはウルティマに自らの姿を投影した自愛の感情であったのかもしれない。
自分を救ってくれた誰かの姿を真似したいだけなのかもしれない。
その気持ちは純粋ではないエゴなのかもしれない。
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