モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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337
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:37:41.81 ID:nZ3oq+wSo
ここはウルティマの泥の最奥であり、間違いなく不純物のないウルティマ自身の心象である。
だがこの景色は人の内面というにはあまりに殺風景、かつ無機質だ。
時間の止まった遊園地とこの世の物とは思えぬ空模様は、命を感じさせない荒廃の情景である。
当然それが健全な心ではないことを表しており、ウルティマの闇であり病みの具現であったのだ。
以下略
AAS
338
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:38:11.34 ID:nZ3oq+wSo
「なぁ……君の、名前は?」
奈緒は突如として現れた少女に内心驚きつつも、平静を保ちながら名を訪ねる。
目の前の少女は、先ほどまで戦っていた蛇頭の主と寸分違わぬ姿をしており、この少女こそが泥の汚染を抜きにした真の意味での心であろう。
以下略
AAS
339
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:38:46.18 ID:nZ3oq+wSo
(とにかく、この『あたし』は耐えられなかった。だから飢えに飲まれて。
孤独を凌ぐためにあらゆるものを食べるだけの怪物に堕ちたんだ)
以下略
AAS
340
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:39:22.97 ID:nZ3oq+wSo
『そと?とおいところなの?』
「まぁ……ちょっと遠かったな。でも、大した距離じゃないさ」
以下略
AAS
341
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:40:08.18 ID:nZ3oq+wSo
奈緒が思い返すは研究所での牢獄の生活。
暴食の核が訴える激烈なまでの空腹は、もともと満たされぬ奈緒にとっては永遠に続く地獄の苦痛そのものであった。
だがそれ以上に辛かったのはその誘惑に負けて、だれかを自分に入れることだった。
以下略
AAS
342
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:40:40.70 ID:nZ3oq+wSo
奈緒の足を縛り付け、ふくらはぎへと這い上がってくるのは彼女自身慣れ親しんだ黒い泥であった。
そしてふと周りをよく見れば、歩道全てが氾濫したように泥が充満している。
『ダレカキタ』
以下略
AAS
343
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:41:29.65 ID:nZ3oq+wSo
そしてその獣たちの斉唱は少女には聞こえていない。
どうやら徹底してウルティマの眷属たちは、自らの主を孤立させ続けるつもりなのだろう。
「くそっ!奈緒ちゃん!あたしの手を取れ!
以下略
AAS
344
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:42:01.08 ID:nZ3oq+wSo
『だから、ずっといっしょだよ。なおおねえちゃん。
ふたりでいっしょに、あたしとずっとあそぼう?』
以下略
AAS
345
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:42:51.00 ID:nZ3oq+wSo
いくら奈緒が強靭な意志をもってこの領域に乗り込んだとしても、この世界の主はウルティマである。
その心象風景に踏み込んだ時点で奈緒はアウェーであり、胃袋の上に乗っているも同然なのだ。
たとえ奈緒が抵抗を試みたとしても、大海に一滴落とされたに等しい奈緒という存在はすぐに飲み込まれてしまうはずである。
以下略
AAS
346
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:43:26.05 ID:nZ3oq+wSo
「そんなことは……わかってる。
この子を救いたい?それはあたしの傲慢かもしれない。同情かもしれない。
以下略
AAS
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