文才ないけど小説かく 7
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414:タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)2/6[saga]
2017/04/28(金) 00:58:52.67 ID:eOaQ9WgS0
ふと、足元に目をやると、隅に無愛想な顔をした三毛猫が座っていた。
 「かわいい猫ちゃんですね、この猫は、ご主人の猫ですか?」
 私は屈んで、猫の首元をくすぐりながら言った。ご主人は、座っていた猫を一瞥後、
「いえ、違いますよ、ぼくの猫ではありません…おそらく、以前の飼い主の猫なのでしょう。」
 私は猫の頭を撫でながら「その…失礼ですが、以前とは…?差し支えなければ教えていただけないでしょうか。」
以下略 AAS



415:タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)3/6[saga]
2017/04/28(金) 01:01:12.07 ID:eOaQ9WgS0
私は、背負っていたリュックサックから、クロッキーブックと鉛筆を取り出すと、スケッチを始めた。
 ご主人は、クロッキーブックを覗きつつも、辺りをうろうろと落ち着かない様子で「ぼくはね、ここには思い入れがあってね、この土地を買った時は、ずいぶんと活気があったんですが、学生達がいなくなってからは、団地の奥さんと子供がぽつぽつと通るだけになってしまって…」
 ほら、団地の人たちって、人付き合いってやつ、お嫌いでしょ。だから、人と会っても挨拶もそこそこにせかせかとベビーカーを転がして、そそくさと行ってしまう。
 子供もね、声をかけると、すぐに不審者だ何だのって親や学校に通告する。
 ぼくはね、なんていうかー、人が同じ地域に住んでいれば、挨拶するだけで自然と心が通うもんだと思って生きてきたが、最近は、心どころか、同じ色の血が通っている筈なのに、どうしてもそれが信じられない。
以下略 AAS



416:タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)4/6[saga]
2017/04/28(金) 01:02:29.19 ID:eOaQ9WgS0
暫くして、つっかけの引きずるような足音が近づいて、止まった。
 「先生、今日はもう閉めたいのだけど、ええかい?見たかったら、また明日来てくれんかね。」
 「いえ、もう本日は、結構です。今日はありがとうございました。」
 「そうかい、よかった、よかった。よかったら、また明日来てな。ええ、明日も伺います。」
 「じゃあ、行くかね。」
以下略 AAS



417:タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)5/6[saga]
2017/04/28(金) 01:03:37.19 ID:eOaQ9WgS0
そろそろ、昨日のご主人に電話しようと思い、尻ポケットからスマートフォンを取り出し、電話帳からご主人の番号をタップし、コールする。
 すぐに電話口から、もすもーすと明朗な声が聞こえた。

 歩いてアパートまで向かう。
 ハナミズキの花が風に落とされ、アスファルトを転がった。行く途中に商店街を見て回ろうと、商店街側の道を通ることにした。
以下略 AAS



418:タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)6/6[saga]
2017/04/28(金) 01:04:17.68 ID:eOaQ9WgS0
 また、それまで閉鎖的だった老人達は、互いに交流するようになり、それぞれ自慢のおかずを交換する姿が頻繁に見受けられるようになったそうだ。
 ご主人の言っていた、人の血のかよった交流とはこういったことだったのだろうかと、事務所の椅子にもたれかかったまま、ぼんやりと天井を見上げながら考えていた。

 ある時、酒に酔った私はふらつきながら、街をさまよっていた。
 馴染みのラーメン屋に辿り着けぬまま、時間だけが過ぎていった。
以下略 AAS



419:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 01:07:38.96 ID:eOaQ9WgS0
「投下します!宣言」するのを忘れてしまい、申し訳なかったです。
以後気を付けます。
長くなってしまいましたが、感想くださると幸いです。
よろしくお願いいたします。


420:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 01:22:12.77 ID:eOaQ9WgS0
度々申し訳ないのですが、二か所ほど訂正です。

タイトル:ぬくもり(お題:時代遅れ)2/6
日が傾き、オーナーの表情は完全に見えなくなった。

以下略 AAS



421:サツガイに対する対抗策(お題 サツガイ)  ◆SqZQSXA.b2[saga]
2017/04/28(金) 02:44:20.02 ID:C2uVeigw0
投下します


422:サツガイに対する対抗策(お題 サツガイ)1/1  ◆SqZQSXA.b2[saga]
2017/04/28(金) 02:46:25.93 ID:C2uVeigw0
誰かにサツガイされると感じるとき、それは自分ならサツガイしかねないと思うときだ。

例えば、電車を待っているとき後ろを警戒してしまうのは、自分が誰かを突き落としたいと潜在的にあるいは衝動的に思ったことがあるからだ。

つまるところ、何者かにサツガイされることを恐れる者は、少なからず加害者がサツガイする妥当性を認めてしまっている。
以下略 AAS



423:サツガイに対する対抗策(お題 サツガイ)  ◆SqZQSXA.b2[sage]
2017/04/28(金) 02:48:47.87 ID:C2uVeigw0
終わりです


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