勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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545:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 10:58:53.25 ID:2YuEJWq7O
今日来たら8ヶ月ぶりや
待ってたよ
546:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 13:55:32.08 ID:atnUNgOIo
今日来なかったら今までのやつ偽物確定だな
547:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/25(日) 16:05:30.63 ID:dyU/3Fo20
『「伝説の勇者」の伝説は我が子によって首を刎ねられて終わりを迎えた。ふむ、なんとも痛ましいものだ。己が父の首を刎ねた時、君は一体何を思った?』
「特に、何も」
『強い覚悟をもって事に臨んでいたということかな。何が起きても心が揺らがぬよう、君は心を決めていた』
548:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/25(日) 16:06:22.42 ID:dyU/3Fo20
549:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/25(日) 16:06:57.96 ID:dyU/3Fo20
爆ぜる衝撃が戦士の頬を撫でた。
勇者の体を中心に荒れ狂う嵐が『大魔王の間』の広大な空間を切り裂いていく。
勇者「『呪文・極大烈風』」
550:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/25(日) 16:07:35.39 ID:dyU/3Fo20
大魔王は勇者に問う。
大魔王「なあ、勇者。俺のやっていることは悪か? 俺がこの胸に抱き、叶えたいと望む願いは断罪されるべきものなのか?」
大魔王「だって、見てみろよ。この魔界の荒れ果てた様を。新たな命など芽吹くはずもない荒涼とした大地を。こんなの、誰が見たってこう思うだろう」
551:名無しNIPPER[saga]
2017/06/25(日) 16:08:33.42 ID:dyU/3Fo20
戦士は大魔王城を脱出し、城の南西に位置する小高い丘の上にいた。
ある程度の距離が離れたこの場所にまで伝わってくる大地の鳴動が戦いの激しさを戦士に伝えている。
光の柱が大魔王城の壁を突き破って噴出した。
勇者の呪文・極大雷撃だ。
552:名無しNIPPER[saga]
2017/06/25(日) 16:09:15.92 ID:dyU/3Fo20
勇者が大魔王に肉薄し、剣を振る。
一度、二度――――三度、四度、五度。
絶え間なく繰り出される連撃を、大魔王はその腕で打ち払う。
大魔王の腕は理外の強度を誇り、今の勇者の剣をすら両断されることなく受け止めている。
衝突、衝突。そのたびに巻き起こる空気の爆裂とそれに伴う轟音。
553:名無しNIPPER[saga]
2017/06/25(日) 16:10:39.90 ID:dyU/3Fo20
大魔王は戦闘態勢を解き、再度勇者に語り掛けた。
大魔王「勇者よ……これが最後だ。今一度問う。剣を収める気はないか?」
大魔王「このままだと、俺は奥の手を使わなくてはならなくなる。これをしてしまうと、俺もお前も絶対にただではすまん。そうなる前に、平和的解決を模索したいのだ、俺は」
554:名無しNIPPER[saga]
2017/06/25(日) 16:11:45.38 ID:dyU/3Fo20
唐突であった。
ほんの僅か、ほんの数ミリほど、大魔王の左手の先に暗闇が生じた瞬間。
大魔王の左腕がもぎ取られ、その穴に吸い込まれていった。
大魔王「ぬ、ぐ…!!」
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