307:名無しNIPPER[saga]
2016/07/13(水) 22:33:03.39 ID:EEZv3dvio
翌朝の教室で、時間になっても鈴木先生は姿を見せなかった。普段滅多にない出来事に
生徒たちはざわめきながら、自分の席を立って思い思いのグループにまとまって何が起き
たのかを推測しあっていた。
308:名無しNIPPER[saga]
2016/07/13(水) 22:33:42.00 ID:EEZv3dvio
何コマかの授業が終わり昼休みになった。正直、食欲なんかなかったし、授業の内容す
ら全く理解できていなった俺を、有希と夕也は中庭に連れ出した。中庭には最近は俺と一
緒に行動しようとしなかった、麻衣が待っていた。こうしてこの四人で一緒に昼飯食うなんて久し振りだ。
309:名無しNIPPER[saga]
2016/07/13(水) 22:34:23.84 ID:EEZv3dvio
「・・・・・・ちくしょう。どうして優だけがこんな目に会わなきゃいけないんだよ」
「・・・・・・お兄ちゃん」
310:名無しNIPPER[saga]
2016/07/13(水) 22:34:59.02 ID:EEZv3dvio
教室に戻ると、主を失った優の机に、何かの文字がマジックのような物で黒々と記され
ていた。
『モモ◆ihoZdFEQao(笑)』
311:名無しNIPPER[saga]
2016/07/13(水) 22:35:34.97 ID:EEZv3dvio
まるで夢遊病者のように歩いていた俺は、自分がどうやって電車に乗ったのか、どうや
ってどんな経路で歩いたのか全く記憶になかったけれども、気づいたら俺はいつの間にか
優の自宅の前に立っていたのだった。相変わらず優の自宅には人の気配がなかった。俺は
試しにチャイムを鳴らしてみたけれども、家の中からは何の返事も返ってこなかった。俺
312:名無しNIPPER[sage]
2016/07/13(水) 22:36:25.43 ID:EEZv3dvio
短いですが次回から視点が変わるので、今日は切りのいいここまで
また、投下します
313:名無しNIPPER[sage]
2016/07/13(水) 22:38:32.74 ID:5pQtLZeso
おっつー
面白いぜ
314:名無しNIPPER[sage]
2016/07/14(木) 09:06:35.84 ID:hwjcmVjYO
おつんつん
315:名無しNIPPER[saga]
2016/07/18(月) 23:40:11.22 ID:HbILN8rbo
私たち三人はお互いのことを知りすぎるくらいに知っている。麻人と麻衣ちゃんの兄妹
は、幼い頃から両親が仕事で留守がちな家庭で、二人きりで寄り添うようにして毎日を過
ごしていた。その頃から隣の家で暮らしていた私は、自分が一人っ子だったこともあって、
仲の良い隣の兄妹のことを妙にうらやましく思っていたものだった。もちろん、よく考え
316:名無しNIPPER[saga]
2016/07/18(月) 23:41:00.19 ID:HbILN8rbo
私は、告白された麻人からそのことを相談されていたので、麻人とその子が付き合い出
したことには別段驚くことはなかったけど、むしろ大変だったのは麻衣ちゃんの方だった。
麻衣ちゃんがブラコンなことはよく知っていたけど、その後の麻衣ちゃんの行動によって、
彼女がここまで麻人のことを慕っていることを、私は改めて思い知らされた。
317:名無しNIPPER[saga]
2016/07/18(月) 23:41:54.63 ID:HbILN8rbo
「そんなことないって」
クラスの友だちや生徒会の役員の人たちから「有希って池山君と付き合ってるでし
ょ?」と聞かれるたびに、私は赤くなってそれを否定した。
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