492: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/05(水) 01:43:45.61 ID:goWqUgHoO
◇
「――はい、依頼のブツ」
493: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/05(水) 01:47:57.00 ID:goWqUgHoO
懸念が、3つあった。
一つは、私に巣食う病の経過について。
本来、首元の文様は、"黒蛛病"の最終段階として表れるはずのものだ。
494: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:18:49.96 ID:wAaxG1znO
「――"黒蛛病"、ひいては"赤い雨"に含まれるオラクル細胞の性質について、わかったことが二つある」
「このオラクル細胞は、あらゆる情報を記録し、蓄積させる。雨粒として触れたものなら、何をも問わずね」
「情報の獲得という意味では、アラガミの捕喰と何ら変わらないと思うかもしれない」
495: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:19:41.22 ID:wAaxG1znO
「……こうして成果を得られているのは、君から生じている"偏食場"を測定したおかげだよ」
「今までは観測も困難な程微弱だった反応数値を、君の身体は何倍にもして増幅させている」
「体内に入り込んだオラクル細胞が、急速に活性化しているんだ」
496: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/28(金) 01:45:21.12 ID:p2ihM7JsO
焦りに負けたとしても、立ち塞がってくるのが第二の懸念だ。
新種のアラガミと目されるそれは、主にフライアやサテライト居住区の近辺に出現し、人々を脅かし始めている。
ここ数日の主な相手となった奴らは、ただでさえ恒常的なアラガミ討伐に追われている極東の神機使い達にも、更なる負担を強いる存在となっていた。
497: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/28(金) 01:50:31.10 ID:p2ihM7JsO
榊博士の見立てでは、これも"赤い雨"の影響による可能性が高いらしい。
既に何体か撃破された赤い"神機兵"の、まだアラガミ化を免れていた部品と偏食因子の形質を調査した結果、
それらは全て、ジュリウスが指揮を執った以降の世代のものであると断定されている。
つまりは、"黒蛛病"患者の偏食因子を注入された"神機兵"がその前身ということだ。
498: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/05(金) 23:35:34.01 ID:xr42ErhWo
「――ジュリウスのことは、もちろん心配です」
「友達にはなれませんでしたけど、フライアに来る前から、私達なりの付き合いがありましたし……」
「少なくとも、彼がこんな行動に出るような人物でなかったことは、私も理解しているつもりです」
499: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/10(水) 22:10:47.22 ID:fzbACKzZO
そのジュリウス、というより、フライアの動向で気にかかっていたのが、現在の"神機兵"の運用だった。
フライアとのつながりが断たれた今、戦場にいる"神機兵"の姿は、報道映像等の断片的な情報で窺い知るのみだ。
だけど、フライアに直接乗り込んだ"ブラッド"は知っている。
500: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/10(水) 22:13:02.66 ID:fzbACKzZO
仮に、現在稼働している"神機兵"も同一の体制だとすると、なぜジュリウスは降りざるを得なかったのか。
"神機兵"が教導を必要としなくなること自体は、ジュリウスも望むところだっただろう。
それこそが無人制御式"神機兵"の到達点の一つであり、そのために彼も調整に心血を注いでいたのだから。
501: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/10(水) 22:13:57.20 ID:fzbACKzZO
ここまで
過疎スレも折り返し
502: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/21(日) 23:27:49.63 ID:EIMMUKx9O
◇
今日何度目かわからない、大剣の横薙ぎを躱す。
風圧に戦ぎ、足元で擦れる雑草を尻目に、私は前方に踏み込んだ。
返す刀で放たれた突きとすれ違い、敵の股下を潜り抜けたところで、ブレーキ代わりに突き出した片脚が身体を跳躍させる。
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