498: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/05(金) 23:35:34.01 ID:xr42ErhWo
「――ジュリウスのことは、もちろん心配です」
「友達にはなれませんでしたけど、フライアに来る前から、私達なりの付き合いがありましたし……」
「少なくとも、彼がこんな行動に出るような人物でなかったことは、私も理解しているつもりです」
「それに、ラケル先生だって……」
「……こんな状況になってしまって、時々わからなくなることがあるんです」
「君に出会う前の私は、命令が絶対でした」
「両親のこともほとんど覚えていなくて、ただ言う事を聞いて認められるのが拠り所になっていって」
「いつの間にか私は、与えられた命令を第一に考えるようになっていました」
「拾われた恩はあります」
「ですが、当時の私から見たジュリウスやラケル先生の人物像が、果たして本当に正しいものだったのかどうか……」
「どうしても、自信が持てなくて」
「……そう、ですね」
「過去を思い悩んで立ち止まるよりかは、これから彼らを理解していこうと考えた方がいいのかもしれません」
「私を今のようにしてしまった君も、同じですよ」
「"これまで"だなんて、考えないでください」
「……そのために、私は自分の意志で君に協力しているんですから」
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