494: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:18:49.96 ID:wAaxG1znO
「――"黒蛛病"、ひいては"赤い雨"に含まれるオラクル細胞の性質について、わかったことが二つある」
「このオラクル細胞は、あらゆる情報を記録し、蓄積させる。雨粒として触れたものなら、何をも問わずね」
「情報の獲得という意味では、アラガミの捕喰と何ら変わらないと思うかもしれない」
「だけど、この雨に偏向性はない。要は、最初に何を口にしようと好き嫌いが出ないんだ」
「さらに言えば、このオラクル細胞は捕喰すら必要とせず、ただ情報の取得に特化している」
「"赤い雨"が降った後、そこにある物体や地質に影響があったという話は聞いたことがないだろう?」
「もちろん、"黒蛛病"の例は除いてね」
「そしてもう一つ、その"黒蛛病"に感染した患者の体内に宿る偏食因子は、病の進行と共に成長する」
「言い換えれば、死に近づけば近づくほど、その力は強まるということなんだ」
「"黒蛛病"を、患者の肉体を自らの成長の糧とするため、オラクル細胞がその体組織を無理やり馴染ませる過程だと考えると……」
「一連の症状は、それに対する拒絶反応と見るのが自然だろうね」
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