496: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/28(金) 01:45:21.12 ID:p2ihM7JsO
焦りに負けたとしても、立ち塞がってくるのが第二の懸念だ。
新種のアラガミと目されるそれは、主にフライアやサテライト居住区の近辺に出現し、人々を脅かし始めている。
ここ数日の主な相手となった奴らは、ただでさえ恒常的なアラガミ討伐に追われている極東の神機使い達にも、更なる負担を強いる存在となっていた。
その正体は、度重なる戦闘の結果,、方々の戦場に廃棄された"神機兵"のなれの果て。
黒鋼の装甲は赤く染まり、オラクル細胞の制御機構が積まれていたはずの背中からは、嘗てのマルドゥークを思わせるかのような触手が伸びている。
見た目以上に変化が顕著なのは、その挙動だ。
大剣を肩に掛け、背を折り曲げ、空いた片手を地に着けた姿勢は、どう見ても普段の"神機兵"のそれとかけ離れている。
あくまで模範的な神機使いに準じていた戦闘方式も、力任せに大剣を叩きつけたり、反動もろくに抑えずに銃弾を撃ち出したりするなど、
まるで抑えきれない力に振り回されるかの如く、極めて野蛮なものに変貌していた。
これらの変異を見せる"神機兵"は発生地点の関係から、サテライト住民にとっての新たな脅威となっている。
フライアへの物理的な介入を望む層にとってもそれは同様で、突如現れた赤い群れは、意図せずして防壁の役割をも果たしていた。
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