486: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:27:14.56 ID:RMLcSQ8bO
「……シエルの洞察力と、"直覚"が大きな障害になるって考えたことは、否定しない」
「でも、あなたが優秀なだけじゃ、きっと打ち明けられなかった」
「私が今みたいに包み隠さず話せるのは……シエルが友達だから、だよ」
487: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:29:39.59 ID:RMLcSQ8bO
「……一つ」
震えた唇が、決着を告げる。
……いや、まだ終わってはいないか。
488: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:32:59.02 ID:RMLcSQ8bO
シエルは、すぐには応じなかった。
たった少しであろう間を何倍にも長く感じながら、私は彼女の答えを待つ。
「……ずるいです、本当に」
489: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:44:14.21 ID:RMLcSQ8bO
「……ありがとう」
「今日はこのまま部屋に籠るつもりだから、心配しないで」
「了解しました。では……」
490: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:45:30.99 ID:RMLcSQ8bO
閉まる扉が姿を隠すまで、彼女を見送る。
少しして、その奥で何かが崩れてしまった、音を聞いた。
すすり泣く声を、聴き続けた。
491: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:46:20.40 ID:RMLcSQ8bO
ここまで
492: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/05(水) 01:43:45.61 ID:goWqUgHoO
◇
「――はい、依頼のブツ」
493: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/05(水) 01:47:57.00 ID:goWqUgHoO
懸念が、3つあった。
一つは、私に巣食う病の経過について。
本来、首元の文様は、"黒蛛病"の最終段階として表れるはずのものだ。
494: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:18:49.96 ID:wAaxG1znO
「――"黒蛛病"、ひいては"赤い雨"に含まれるオラクル細胞の性質について、わかったことが二つある」
「このオラクル細胞は、あらゆる情報を記録し、蓄積させる。雨粒として触れたものなら、何をも問わずね」
「情報の獲得という意味では、アラガミの捕喰と何ら変わらないと思うかもしれない」
495: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:19:41.22 ID:wAaxG1znO
「……こうして成果を得られているのは、君から生じている"偏食場"を測定したおかげだよ」
「今までは観測も困難な程微弱だった反応数値を、君の身体は何倍にもして増幅させている」
「体内に入り込んだオラクル細胞が、急速に活性化しているんだ」
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