489: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/03/31(金) 01:44:14.21 ID:RMLcSQ8bO
「……ありがとう」
「今日はこのまま部屋に籠るつもりだから、心配しないで」
「了解しました。では……」
普段通りというには少々過剰なほど淡白な反応を返して、シエルが立ち上がる。
たとえば私が、自身の行いを棚に上げ、この成果を嬉しがる図太さを持っていたとしてもだ。
一礼をし、踵を返した彼女の、その潤んだままの瞳を見てしまっては。
……そんな感情も、吹き飛んでしまうだろう。
「……ごめんね」
言葉を受けたシエルの背が、一瞬だけ緊張から解かれたような気がした。
「……失礼します」
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