336: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/16(水) 23:22:06.61 ID:KsfUajwQo
私にとって、アラガミは災害のようなものだった。
局所的に食い止める事は出来ても、根絶はまず不可能な、防いでやり過ごすしかない自然現象。
有り体に言えば、"そういうもの"、という印象だった。
337: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/16(水) 23:23:32.72 ID:KsfUajwQo
とりあえずこれだけ
やっぱり戦闘になると筆が止まる……3月中に終わらない……
338: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:23:13.38 ID:DnK4wTToo
要害の最深部。
アラガミと、それを喰らう者の両者が相まみえる緊張の中、崖上のマルドゥークが天を仰ぎ、咆哮を上げた。
その肉体から立ち昇る赤黒い渦に呼応し、どこに隠れていたのか、アラガミ側の戦力が周囲に展開される。
339: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:25:28.09 ID:DnK4wTToo
嘗て同じ相手に脚が竦み、声も出なくなった頃から、どれほど経っただろうか。
私はこうして生き残り、短い間に多くの経験を得てきた。
少し癪だけど、その猶予を私に与えたのは紛れもなく父の言葉で、きっかけとなったのはマルドゥークとの邂逅だ。
340: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:27:35.55 ID:DnK4wTToo
……ギルも、似た気持ちだったんだろうか。
というより、実際にその感情を体験してきた身ではあるんだけど。
それに、仇討ちを果たして全てが清算されるわけでもないのは、彼を見ればわかる。
341: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:29:21.50 ID:DnK4wTToo
咄嗟に盾で爪先を受け流すと、マルドゥークは3発目の動作に移った。
後ろ脚で立ち上がり、巨体ごと両腕を振り下ろす。
ただ、その標的は私じゃなかった。
342: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:31:15.22 ID:DnK4wTToo
前後から組みつかれたマルドゥークは短く唸ったかと思えば、即座に片腕を胴体側に引き、
それを軸とする事で、ぐるりとその場で一回転して見せた。
急加速にたまらず引き剥がされるも、私とシエルはそれぞれ反対の地点に危なげなく着地する。
343: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/26(土) 01:19:23.90 ID:w5N2qoJOo
言い終わらない内に、マルドゥークが前腕を展開し、掌に接した地面を溶かす。
沸き立つマグマは片腕でかき上げられ、火球となって私の方へ打ち出された。
腰を捻り、踵を敵に向ける形で一歩踏み出した私は、背に掛けた盾でこれを受け止める。
344: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/26(土) 01:21:40.58 ID:w5N2qoJOo
慣性のまま落ちてくるそれを迎え撃とうと、私達は三方で神機を構える。
しかしながら、ヤツもただで降りるつもりはなかった。
私との接触の直前、敵は空中で爆発を起こし、目の眩んだ私を通り越しつつも弧を描く。
背後を取ったマルドゥークは着地した後、一足飛びで私の元へ戻ってきていた。
345: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/26(土) 01:24:39.32 ID:w5N2qoJOo
「やってくれた、なぁっ!!」
ブースト機能を点火させた槌にかち上げられ、腕を浮かせたマルドゥークが怯む。
その隙に神機を変形させ、ナナは銃口を上に向けた。
346: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/26(土) 01:27:10.85 ID:w5N2qoJOo
両腕に裂傷を作ったマルドゥークが、私達から数歩分の距離を取る。
その足取りは先ほどまでに比べ、明らかに鈍くなっていた。
熱の操作にしても、少なくとも自由には行えないはずだ。
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