338: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:23:13.38 ID:DnK4wTToo
要害の最深部。
アラガミと、それを喰らう者の両者が相まみえる緊張の中、崖上のマルドゥークが天を仰ぎ、咆哮を上げた。
その肉体から立ち昇る赤黒い渦に呼応し、どこに隠れていたのか、アラガミ側の戦力が周囲に展開される。
マルドゥークの原種となる、赤い体毛の狼型アラガミ群が仕掛けるのと、神機兵団が一斉に駆動音を響かせたのは、ほぼ同時だった。
『ガルムは俺が抑える……手筈通り、"ブラッド"は目標に集中しろ』
拠点の設備で"神機兵"を統括するジュリウスから、指示が飛ぶ。
彼自身は二重の意味で戦えない。
代わりに手足となり、アラガミにその身をぶつける"神機兵"を尻目に、私達はようやく同じ地に降り立った敵を見据える。
「……やっと、ここまで来たね」
「……交戦記録の少ないアラガミです。油断しないで」
「したくても出来ねえよ……こいつが相手じゃな」
マルドゥークもまた、迎え撃つべき相手を見定めていた。
静かに怒りを湛え、戦意に漲った3人は、私の言葉を待っている。
「……よし」
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