341: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/24(木) 01:29:21.50 ID:DnK4wTToo
咄嗟に盾で爪先を受け流すと、マルドゥークは3発目の動作に移った。
後ろ脚で立ち上がり、巨体ごと両腕を振り下ろす。
ただ、その標的は私じゃなかった。
「うわっ!?」
振り下ろされた両腕は、マルドゥークが突如側面に胴体を捩じった先の、ナナの元に着弾する。
風圧が直近の彼女をたじろがせるも、アラガミの攻撃はこれに止まらなかった。
抉れた地面から漏れた光が、もう一度爆発を引き起こす。
腕の硬皮に包まれた発熱器官は、ガルム種の武器の一つだ。
そこから瞬間的に発せられる高熱により、マルドゥークは地形と大気に対応した攻撃を可能にしている。
「チッ……!」
盾は展開していた。直撃を受けてはいないはず。
爆風で吹き飛ばされたナナのフォローに、すかさずギルが向かった事を横目で確認しつつ、私は煙の中へと切り込んでいく。
目算で振り下ろした大剣型の神機は閉じた硬皮に喰い込み、マルドゥークに私の接触を気づかせた。
その直後、ヤツの背後からシエルが頭を出し、神機の咢を胴体に噛みつかせる。
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