【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
1- 20
324: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:55:59.32 ID:0GQMf/Jmo

「く……っ」

薄く雲がかかった、月の下。
音の主は、出入り口から少し離れた岩場にいた。
以下略 AAS



325: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:56:58.22 ID:0GQMf/Jmo

明確な違和感を持ったのは、ジュリウスと別れた時だった。
彼が怒りの中で私に掴みかからなかったのも、直接私の手に触れずにディスクを渡したのも。
今考えれば、接触感染の可能性が極めて高い、”黒蛛病”の伝染を防ぐための手立てだったのだろう。
……そうであって欲しくは、なかったけど。
以下略 AAS



326: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:58:20.39 ID:0GQMf/Jmo

「まあ、安静にしたところでどうにかなるものでもないし、好きにやらせてもらうさ」
「新たな世界の、その礎だけでも……築いておきたいからな」
「だから……お前達の元には、いられない」

以下略 AAS



327: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:00:25.03 ID:0GQMf/Jmo

「……懲りないな、お前は」

少し間を置いて、ジュリウスが言葉を返す。
彼にしては珍しく、少し呆れ気味な調子だった。
以下略 AAS



328: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:08:14.35 ID:0GQMf/Jmo

「……お前は、俺が求める力を持っていた」
「心を通わせ、得たつながりを力に"喚起"する……家族を求めていた俺にとって、まさしくうってつけじゃないか」
「……実際、お前には頼ってばかりいたしな」

以下略 AAS



329: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:09:12.11 ID:0GQMf/Jmo

「……副隊長のお前が信頼関係を結んでいく横で、隊長の俺は何をしていた?」
「隊員を理解し、導くのが長である者の本分だというのに、俺は……」
「あいつらの抱えていたものを測れないどころか、己の都合を優先して逃げていただけじゃないか……!」

以下略 AAS



330: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:10:44.16 ID:0GQMf/Jmo

「……そうだね、ありがとう」

本当の彼は、自分を許せない。
家族を求めながら深く知り合えず、助けられなかった自身を悔いている。
以下略 AAS



331: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:16:50.73 ID:0GQMf/Jmo

私がフライアに所属した当初、その素性を知っていたのは、彼やラケル博士と、一部の人間のみ。
わざわざ言いふらしでもしなければ、秘匿するまでもない私の出自を、
ジュリウスは理由も聞かず、守り通してくれていた。
今でこそ、あまり思い出さなくなった程度には意識していない事柄だけど、
以下略 AAS



332: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:18:02.94 ID:0GQMf/Jmo

「大事にしよう、守ろうと突っ張ってきて、求めた憧憬から最も遠ざかっていたのは、俺自身だったのかもしれないな……」
「……だが、もう後戻りも出来ない」

目を閉じ、息を吐いた彼は、再び私に向き直る。
以下略 AAS



333: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:26:56.05 ID:0GQMf/Jmo

「……強いな、お前は……いや、強くなったと言うべきか」
「どちらにせよ、俺の目に狂いはなかったようだな」

ジュリウスの表情が、ふっと安らぐ。
以下略 AAS



334: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:28:17.55 ID:0GQMf/Jmo
ここまで



534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice