331: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:16:50.73 ID:0GQMf/Jmo
私がフライアに所属した当初、その素性を知っていたのは、彼やラケル博士と、一部の人間のみ。
わざわざ言いふらしでもしなければ、秘匿するまでもない私の出自を、
ジュリウスは理由も聞かず、守り通してくれていた。
今でこそ、あまり思い出さなくなった程度には意識していない事柄だけど、
その露見が何よりの死活問題だった当時の私にとって、彼の対応はありがたかった。
「……お前が何らかの事情を抱えていたことぐらいは、俺にだってわかる」
「黙っているだけで、何が出来たというわけでもないがな」
「……ううん、ありがとう」
「……ジュリウスが私達に負担をかけないように動いてきたことは、みんなわかってるよ」
「だから、ナナ達も頼って欲しがってたし、ギルも怒ってたんだと思う」
「……お前も、人の事は言えないんじゃないか?」
「ちょっと前まではね……でも、お前が一人でやるには荷が重い、って怒られちゃった」
「そうか……」
私の言葉にジュリウスが苦笑し、夜空を見上げる。
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