140: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:22:08.30 ID:+IcfBHrRo
戦車型が姿勢を変えたタイミングで、まずは一閃。
"ブラッドアーツ"で小型アラガミ達を薙ぎ払い、初手の狙撃で消費したオラクルエネルギーを幾らか補う。
次に、神機を捕喰形態に移行させ、"ブラッドアーツ"の余波で怯んだ残りの小型アラガミに狙いを定める。
神機のコアから伸びた"オラクル細胞"の咢は小型アラガミに深々と食い込み、その肉体を持ち上げた。
141: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:25:28.08 ID:+IcfBHrRo
悲鳴を上げながらバランスを崩し、そのままつんのめる形で倒れ込んだ戦車型の、前脚から胴体までを順に駆け上っていく。
動きを封じたとはいえ、広範囲に渡る爆撃を行えるオラクル弾頭の存在は厄介に変わりない。
このチャンスに、そうした手段も絶たなければ――
142: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:28:57.42 ID:+IcfBHrRo
――その瞬間。
私が今まさに使おうとしていたものと、全く同形状の物体がこの場に投げ込まれた。
それを察知した私は、即座に視界を閉ざす。
何も知らぬアラガミ2体の視聴覚を刺激する、眩い光。
143: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:32:17.66 ID:+IcfBHrRo
「……なぁ、あれってコア、大丈夫なのかな」
一旦戦いが終わり、戦車型のコアを捕喰する中、ロミオがぼやく。
斃したアラガミのコアは、支部に持ち帰れば、外壁の"アラガミ装甲壁"に用いられる。
144: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:37:11.54 ID:+IcfBHrRo
◇
アラガミの群れに苦戦する他の部隊や"神機兵"の援護に向かい、周辺エリアのアラガミを一掃した後、
私達はアラガミの侵攻の余波を受け、被災地となっていた"サテライト拠点"住民の避難誘導を行っていた。
神機使い達の尽力で被害は抑えられたけど、それも0というわけじゃない。
145: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:41:24.78 ID:+IcfBHrRo
「――ジュリウスごめん!俺ちょっと行ってくる!」
その不吉さに呼応するかのように、ロミオが突然"赤い雨"用の防護服を引ったくり、シェルターの外に駆け出していく。
思わず、そのままの格好で私が追いかけようとしたところを、ジュリウスの手に制止される。
146: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:43:31.86 ID:+IcfBHrRo
予告通りロミオ死亡まで
戦闘描写はノッキンオンヘブンズドアを大いに参考にさせていただいてます
147:名無しNIPPER[sage]
2015/09/23(水) 23:48:26.59 ID:6rC3aIrH0
乙乙
楽しみに読んでますぜ
つづき待ってるよ
148: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:36:43.08 ID:xjyru10jo
その言葉だけで一年は戦える
さすがにそこまで長引かないけど投下
149: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:38:00.04 ID:xjyru10jo
◇
昨日発令された拠点防衛任務の、その終盤。
"赤い雨"が降りしきる中、極東支部北方の集落に、嘗て私が対峙した、狼型の"感応種"率いる、アラガミの群れが出現した。
人間は元より、"神機兵"も動かなくなった状況から、その報せをシェルター内で最初に聞いたジュリウスもすぐには動けない。
150: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:40:52.94 ID:xjyru10jo
悲しみはある。
大切な仲間を失った。
怒りはある。
アラガミに殺された。
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