【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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203: ◆zlCN2ONzFo
2019/05/10(金) 01:14:54.30 ID:yOZJg/io0
>>202

「では、部屋に……我が妻よ、愛しい人よ」
「始めようか、我らが国盗りを」

以下略 AAS



204:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/14(火) 20:50:11.91 ID:lHlXGZ4e0
【――青空の向こう側の向こう側までも晴れ渡ったある日のことだった、あるいは何もかもが皮肉のように世界が煌めくのは、初夏に浮かれる日差しの作用にほかならず】
【なれば澄み渡る青空も真っ白に浮かぶ雲も、――――ほんの少し人間のための道を外れる、たったそれだけのことで見えなくなるのだから、ずいぶんと世界は簡単なものだった】
【だからきっと世界だってこんなにも簡単に滅ぼせてしまうのに違いなかった。だって見上げる空はもう色濃く茂る葉っぱの影の色、からりと爽やかな気候すら、気づけばじっとりと纏わる湿度にすり替えられて】

【――――そこは櫻のごくありふれた田舎町の一つだった。観光地めいた場所など一つもなく、外から人の来ることすらほとんどないような場所は、それでも、ごく立派な川の、その傍らにあり】
以下略 AAS



205: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/14(火) 21:21:07.26 ID:cDuJcACk0
>>204

【――登っているうちに辺りは暗くなり始めていた。だのに足音が聞こえていた、がさ、がさり】

【今更会えるなどとは思っていなかったけど。いなかったけれど、どうしたって、願ってしまうから】
以下略 AAS



206:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/14(火) 21:41:15.50 ID:lHlXGZ4e0
>>205

【けれどその"神聖"は、決して彼女を拒みやしないのだろう。それが如何様な理由であるのかは知れなかった。――誰も真実を述べる者がいないのだから、仕方がないとはいえ】
【だってもはやこの山に神様などというものは居やしないのだ。そんな神様は滅んでしまって久しいのだ。だから、今ここに満ちる神聖はただの残り香、誰も踏み入らぬからこそ、残るだけのもの】
【なればいつか薄れてしまうのかもしれなかった。けれど、それはだいぶ未来の出来事のようにも思えた、だって、町の人はあんなにも今でもこの山に入ると呪われてしまうと信じている】
以下略 AAS



207: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/14(火) 22:00:23.50 ID:cDuJcACk0
>>206

【しばらくはじいっと音を聞いていた。それが地面からする音だとわかったなら、まつげを斜め下に落とし】
【見やる、蛇――であれば「彼女」の一部であるか、あるいは使い魔であるのかと認識した】
【そういえば一番最初の邂逅のときだって、「彼女」は大量の蛇を連れていた。こういった色の子ではなかったけど】
以下略 AAS



208:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/14(火) 22:19:53.61 ID:lHlXGZ4e0
>>207

【漏れる言ノ葉の音律に、蛇の一匹がぴくりと顔を上げた。――そうしたらすぐ傍らで同じくすりすりと這っているやつに何か話しかけるみたいに、ずりずりって近づいて行って、疎ましがられている】
【ずいぶんと仲のいい蛇たちの様子、だけれども、蛇ってそんなに仲良くやっていくたぐいの生き物だったかしら。――きっと違うのなら、これは、何か夢まほろばにも似て奇妙な現象、生物学者が喚いても観測したい光景】
【それだけで何か神様の思し召しなのかもしれないなんて言いすぎるのかもしれないけれど、――やがてあなたは薄霧の向こう側に、林立する木々とも、地面を這う蛇とも、まったく異なったシルエットを見つけるのだろう。――人の形をして見えたから】
以下略 AAS



209: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/14(火) 22:32:38.45 ID:cDuJcACk0
>>208

――――――――――――鈴、

【まっさきに出かかった声を飲み込んだ。シルエットだけでわかってしまった。だけど、だからこそ】
以下略 AAS



210:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/14(火) 23:07:20.57 ID:lHlXGZ4e0
>>209

【ついと霧の向こう側から黒くて赤いまなざしが間違いなく貴女を捉えて、――はたりと瞬くところまでを余すところなく観測させた。であれば、間違いなく出かけた声は聞いたのだろう】
【ほら見たことかとでもいうみたいに頭を揺らす蛇の仕草だけが何かふざけたような滑稽さを帯びていて、――けれどきっとそれ以外の誰にもそんなつもりはないから、やはり浮いているだけのその仕草が目立ち】
【振り返る足取りが草を踏むのなら、しゃくんと割合に当たり前の音がした。――――――――とすり、ごくごく小さな足取りの音一つで、詰める距離は、歩幅一つ分しかなくとも、“それ”はやっぱり何か、違うから】
以下略 AAS



211: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/14(火) 23:27:19.11 ID:cDuJcACk0
>>210

…………桜花鈴音。そっか。そう、じゃあ、、初めまして――。
そっか、……そう。そっか、……そっか。じゃああたしの知ってる鈴音は、

以下略 AAS



212:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/14(火) 23:59:52.85 ID:lHlXGZ4e0
>>211

【はじめましてのご挨拶に、――そいつは割かし友好的に答えるのだろう。そもそも人間と敵対してやろうという意思すらないように思われた。――"誰かとは違って"】
【冗談めかすようにスカートのすそを摘まみ上げる仕草は、あんまり似合ってないのかもしれない。それよりもうちょっとだけ好き勝手に生きている人間の素振りが似合うように思えたから】

以下略 AAS



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