【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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205: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/05/14(火) 21:21:07.26 ID:cDuJcACk0
>>204

【――登っているうちに辺りは暗くなり始めていた。だのに足音が聞こえていた、がさ、がさり】

【今更会えるなどとは思っていなかったけど。いなかったけれど、どうしたって、願ってしまうから】
【元気にやってくれているならそれでいい。道を違えたあたしのことなんか忘れて、幸せに】
【なってくれればそれでいいって、わかって、いたのに――その話を聞いてしまったのなら】
【赤い靴は勝手に踊り出す。それこそ呪われてしまったように。それしかできなくなるように、】

……………………はあっ、はっ、この靴で来るの、さすがにっ……無理があったかなっ、
でもこれ履いてないと、……きっと駄目、だから………………

【――山道にこんな靴履くのはきっと自殺志願者くらいしかいないはずだった。なのにこいつは呼吸していた】
【荒い息を吸いては吐いてを繰り返す。ならば服装だってそういう、とうてい山に適したものではなく】
【シャツの上からパーカー。ホットパンツに――暑いのに、何かを隠すようにサイハイソックス】
【何度も述べてる赤い靴は、バカみたいな厚底だった。本当にこの山の何もかもをバカにしているみたいなのに、】

……………………バカらし。帰……るにした、って……はあっ、……えっと。
こーいう夜の山では、動き回るほうが逆に危ないんだっけ……だから、
朝が来るまで待ったほうが、安全、で…………。……あれ、もう、朝、来ちゃった?

【表情だけがどこまでも何かしら、取り憑かれたように真剣みを帯びていたから――しかしそれも長くは続かず】
【途中で疲れ切って、よさげな樹でも見つけて背を預け、座り込んでしまうんだろう。そうしたら】
【なにかしら輝くのを見てしまうから。ふと目を丸くして前を見てしまう、そうして――ぞわりと肌を粟立たせ】
【その神聖さに怯えてしまう。彼女は冒涜的な化物であった、だからきっと「神様」には嫌われているはずだった、けど】


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