100:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 18:10:10.92 ID:eglF3Egj0
【路地裏】
【獲物を前にした獣の吐息のごとく、不気味なほど生暖かい空気が、しなりと女の肌を撫でる】
【街の灯りは路地の先へと吸い込まれるように消え失せ、仄かな月光のみを足がかりにしなければならなかった】
【この場所、この時刻――この世界の住人ならば誰しもが知っている。それがいかに命知らずな歩みなのかを】
101: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 19:05:57.67 ID:W2213yFJ0
>>100
【――――腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする】
【たとえば牛、豚、鳥、なんでもいいけれど、ぎっしりと肉の入った――それもあまり新鮮でなくて】
102:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 19:33:01.47 ID:eglF3Egj0
>>101
【――はてさて。まず最初に述べるならば、女はまごうことなき変人である】
【先に言ってしまえば、この路地に迷い込んだ理由も"幽霊を探しに来た"という訳のわからないものなのであった】
103: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 19:52:12.11 ID:W2213yFJ0
>>102
【彼女が刀に手を添えたのを見るなら、わあ、と歓声を上げるのだろう。疲れただなんてきっと嘘だった】
【そうして、女は――完全にそちらへ身を向けるのだろう。両手にひとつずつ曲刀を握っていて】
【ほとんど裸みたいな身体、白い肌には言い訳のしようもないくらいにべっとりと返り血がついていた】
104:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 20:17:01.43 ID:eglF3Egj0
>>103
……そっか。「だから」か。
うん。納得した。
105: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 20:32:38.73 ID:W2213yFJ0
>>104
イストさんって言うんだネエ。しゅーしゅーか? ……コレクターってことかナア。
うふふ、変なのお、ユーレイなんてどうやって集めるのお? ハコとかに入れとけるの?
106:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 21:06:33.03 ID:eglF3Egj0
>>105
ご忠告ありがとう、"ギンちゃん"。……ふふ、かわいいからこっちで呼ばせてもらおうかな。
わたしが蒐めるのは怪異そのものじゃなく、それが生み出す物語……"怪異譚"の方なんだ。ああ、ちょっと難しいかな?
107: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 21:22:48.37 ID:W2213yFJ0
>>106
うんっ、難しーい! だからもっとシンプルに行こーヨ、――イストさんの首を刎ねられたらギンちゃんの勝ち、
イストさんがギンちゃんの物語を持って帰れたら――イストさんの勝ち! あっはは、負けないぞー、お……
108:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 21:57:46.45 ID:eglF3Egj0
>>107
ああ、そうさせてもらうとしよう。
……喋りすぎるのはわたしの悪い癖でね。ここからは、こっちで語り合うとしようか……!
109: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 22:25:34.69 ID:W2213yFJ0
>>108
【刃が空ぶることは想定内。だから涼しい顔して右手でぱしりとキャッチする、の、だが】
【――続く事象までは読めていなかった。見開かれるすみれ色、宙に投げ出される身体】
【まずいと思った瞬間にはもう捉えられていた。その瞬間にはもう、イストの刃が、届かんとするのだから】
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