109: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2019/04/25(木) 22:25:34.69 ID:W2213yFJ0
>>108
【刃が空ぶることは想定内。だから涼しい顔して右手でぱしりとキャッチする、の、だが】
【――続く事象までは読めていなかった。見開かれるすみれ色、宙に投げ出される身体】
【まずいと思った瞬間にはもう捉えられていた。その瞬間にはもう、イストの刃が、届かんとするのだから】
――――――――――≪パーティ≫!!
【なれば此方も出し惜しみナシ、ということ。ギンコもまた異能を行使する――単純な術だった】
【目の届く範囲に、そう大きくはない障壁を生み出す。それだけのこと、しかも強度もそれほどではなく】
【突きを受ければばりんと音を立てて破片を撒き散らすのだろう、それ自体にさしたる殺傷能力はないけれど】
【そうして役目を終えた/終えさせられた障壁は、けれど立派に働いたのだろう。突きの衝撃を幾らか殺して】
【蔓を引き千切るだけの余裕を作り、しかし逃げ果せるには叶わず――貫かれるまでは行かずとも】
【浅い膚を引き裂さかれ、その内から鮮やかな赤色を撒き散らすところまでは「届く」。――地を蹴りつける音、】
【今度はギンコが後ろへ飛び退く番だった。相変わらず見開いた眼には、痛覚で刺激された興奮の色が混じり】
………………っはは、やーるぅ。ワリとイタいよ、コレ……
じゃあ何倍返しに、させて、もーらおっかなあ…………!
【またしても地を蹴るのだろう。距離を詰めるため――かと思いきや、今度は、軌道が違う】
【斜め上に跳んだ。逃げ場のないはずの空中へ? しかも、切っ先は未だイストに向けていない】
【ならばこれは何かしらの準備運動であることをわからせるのだろう。宙をはためくコートの裾が、まるで羽のようで】
【だけど落下に任せて毛先を上に向ける銀髪部分だけがウサギの耳のよう。いずれにせよ、人間の動きではない】
【そのまま、いくらか宙に滞在するのだろう。それを隙と見るかどうかはイストの自由だった、獣はそれを、待ち構えるから】
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