104:名無しのパー速民[sage saga]
2019/04/25(木) 20:17:01.43 ID:eglF3Egj0
>>103
……そっか。「だから」か。
うん。納得した。
【その、あまりにも子供じみて――。まるで、殺すための理由なんかなくて、殺したあとに勝手に理由がくっついて来たみたいなそれを】
【女は一度頷いて、あまりにもあっさりと受け入れるのだった。微笑を浮かべたまま半身を引き、鞘を握り込んで】
ギンコちゃんか。可愛い名前だね。
わたしの名前はイスト。職業は……自称になるけど"蒐集家"だよ。
こういう怪しい場所を探検して、隠れている"怪異"を探すのが趣味なんだ。
【実を言えば。この子とは相容れないのだという、そのどうしようもない実感は、既に女のなかで事実となり始めていたのだけども】
【――決して表情は変えなかった。あまつさえ、そのへんの子供にでも自慢するみたいに、「かっこいいでしょ?」とウィンクをひとつ】
【その空々しいまでの場違いさには、しかし狂気も恐怖も感じ取れない。おそらくはこれが、この女のやり方なのだろう】
【たとえこれから殺す相手でも、どちらかが死ぬそれまでは。"少なくとも今はなかよしでいましょう"――ああ。ちょっとだけ、似てはいる】
いやはやまったく。それにしても。
幽霊目当てに彷徨えば、饐えたニオイに転がる素っ首! 飛び交う狂気と血塗れの刃ときたもんだ――!
はは、嗤っちゃうほど"怪異的"だ。ぜんぜん嬉しくないけどね!
そしてたぶん……キミという"怪異"には、こういう蒐め方が一番、相応しいようだ。
――悲しいけどね。それがわたしの答えだよ。
【相好を崩し、ため息混じりに演劇じみた台詞を吐いて、がっくりと肩を落とす。――それが最後であり、合図であった】
【上体が倒れたその勢いのままに、女……イストは一気に駆け出すだろう。悲しげに呟いたその声はしかし――】
【――抜刀。ギンコから見て右から左へ、横一閃の斬撃と同時に、彼女へと届くことになるだろうか】
【ただシンプルに"速い"だけの斬撃である。避けられやすくもあるが、そうなったとき退避に転じやすい、そういう力の抜き方だ】
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