古美門研介「こんな機会滅多にないぞ」黛真知子「自信がないのかしら?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:18:52.03 ID:tvaETUooO
【プロローグ】

「サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことは他愛もない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、黛君。君はいつまでサンタクロースを信じていた?」
「え?」
「夜中に不法侵入してきて荷物を置いていくという老人のことだよ」
「私は今も信じてます」
「なぁんだって!?」
「今もサンタクロースはいると思ってます」
「君の愚かさはいつも予想の上をいくねぇ」
「ほんとにいます!」

人は信じたいものを信じ見たいものを見る。

「服部さんは如何です?」
「はははは。私の少年時代にはサンタクロースというシステムがござませんでした」
「それは失礼」

そこで少女が呟く。彼女こそ今回の依頼人。

「私は信じたことない」

使い潰された子役は、親の愛情を信じない。

「私はサンタなんて、1度も信じたことない」
「自分の信じたいものだけを信じたまえ。聖書にもあるだろう? 信じる者は救われると」

子供自身による親権の停止の申し立て裁判。
勝訴すれば国内初の判例となる重大な事案。
黛真智子は、朝ドラ全開で説得を試みたが。

「メイさん。もう1度、お母さんと話し合って……」
「私はお母さんを信じてない」
「でも親子なんだから……」
「うるさい!」

少女は聞く耳を持たずに出て行ってしまう。

「12才の子が母親と断絶しようとしている。内心どれほどの苦悩を抱え、血を吐く思いをしてるか君にわかるか?」

この朝ドラにはわからない。私にはわかる。

「二度と薄っぺらい言葉を吐くな」

何故なら、幼少期に似た経験をしたからだ。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:21:28.41 ID:tvaETUooO
「サンタクロースなんている訳ないだろう」
「サンタにプレゼント貰ったもん!」

小学生の時、同級生の女子と口論になった。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:22:17.33 ID:tvaETUooO
「君のクラスメイトのお母さんが抗議に見えました。君は彼女にサンタクロースはいないと言ったそうですね?」

当然の帰結として告発され父に尋問された。

「……はい」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:24:00.91 ID:tvaETUooO
「何故君がそれを食べてるのか説明しなさい。何でもいい。私を説得してみせなさい」

何故、父がここに居るのか。帰宅前なのに。
今ならばわかる。父は私のあとをつけて、一緒に謝罪へと出向いたのだ。不器用な人だ。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:24:54.91 ID:7KMNvF/HO
「親権を停止させて、どうしたいのか?」

審問が始まった。父の質問を慎重に答える。

「メイさんは更生したいのです。芸能活動を休止し、勉学に励み、通常の人間関係と社会を学びたいのです」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:26:42.49 ID:7KMNvF/HO
「なんですか、この香ばしい青春トークは」
「黛先生も洗脳教育を受けておられる」
「こんなものは洗脳とは言いません!」
「しかしあなたが仰った定義に合致します」

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:27:44.49 ID:7KMNvF/HO
「それで? 結局、何を仰りたいのですか?」

対等ではなくあくまで上から。父のように。

「申し立てを取り下げなさい」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:29:04.18 ID:7KMNvF/HO
「当事者の主張を聞いて結論を出したいと思います。申し立て人、安永メイさんから」

いよいよ審問は佳境だ。黛君が少女に促す。

「いいのよ、今の率直な気持ちを言えば」
以下略 AAS



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