古美門研介「こんな機会滅多にないぞ」黛真知子「自信がないのかしら?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:24:00.91 ID:tvaETUooO
「何故君がそれを食べてるのか説明しなさい。何でもいい。私を説得してみせなさい」

何故、父がここに居るのか。帰宅前なのに。
今ならばわかる。父は私のあとをつけて、一緒に謝罪へと出向いたのだ。不器用な人だ。

「僕が泣かせた女の子はカステラが苦手なので、持って帰りなさいと言われたから……」
「あの子の大好物はカステラだという情報を得たから、君にカステラを持って行かせたんですよ。それくらいの予想がつきませんでしたか?」

ぐうの音も出なかった。深い失望を感じた。

「頭の悪い子は嫌いです」

父に嫌われた。私も、愚かなガキは嫌いだ。

「どうせ中途半端な人生を送るなら、家名を傷つけないようにどっか遠くへ消えなさい」

耳が痛い。それから暫くして私は家を出た。
父を見返すために。愚かではないと認めさせるために。検事として九州地方の法曹界で名を馳せた父への当て付けのように弁護士となりそして今に至る。今の私は愚かだろうか。

「いつかの悪魔の証明、か。性懲りも無く」

それを証明するのが今回の審問であり、対する父は、さながらあの時の悪魔の証明のようにこの私が優秀である根拠を問うのだろう。

「……上等だ」

根拠は事実に基づく。今回は私に分がある。


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