79: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:15:04.27 ID:EEyFH7CuO
「桜子は調整次第で、他のウワサたちの力を取り込める」
「|どういうこと?|」
「……今まで言うまいと思っていたけど、僕の命は、もう長くない」
「|……!?|」
「自分の体のことは自分で分かるさ。みんなだって気付いているだろう」
80: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:16:53.86 ID:EEyFH7CuO
「風の伝道師のウワサは、かごめさんを守るために残すんですよね。
アイちゃんとキレーションランドのウワサは、どうするんですか?」
「アイはさなと、キレーションランドは鶴乃と融合させる。鶴乃は融合状態で
活動していた過去を顧みるに問題ない。さなにもウワサとの融合経験がある。
だけど、限定的な状況だった上に、アイの性質上の問題も手伝って、さなが
81: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:19:32.24 ID:EEyFH7CuO
「なぁ、さなが家を出なくても済む方法はねーのかよ?」
「アイと融合した状態のさなは、電化製品が近くにあるとそれだけで影響を受ける。
騒音が流れるヘッドホンをつけたまま生活するのも同じだ」
「ストレスを少しでも軽くするには、ねむの提案が一番だと思うよ」
「さなも、常にそんな状態では未来で不便を被ると思う。アイとの融合状態を
82: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:26:30.45 ID:EEyFH7CuO
「浄化システムは私がいないと消えちゃう。どうして私がメンバーに選ばれなかったのかな?」
「それは既に手を打ってある。いつか灯花が開発したゲームが役に立つ」
「リトルバケーションを覚えてるかにゃー?」
「あ……最近、すっかり忘れてた……」
「リトルバケーションに、ういのアバターを作って、紅晴結菜の対象変更でコアをアバターのういに移す。
83: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:47:26.49 ID:EEyFH7CuO
「流石は里見さんと柊さんね。ミラーズ対策も考えてるんですもの」
「あまり期待されると、それはちょっと困るにゃー。希望的観測の領域は出ていないし……」
「ねむちゃん。話は戻るんだけど、桜子ちゃんを安全にサーバに移せる保証はあるのかな?」
「理論上では、ウワサの力を付与したサーバであれば、安全に移せるよ。
検証を止めた日以来、知古辣屋零号店のカカオマスには、再び魔翌力を溜め込んでいるんだ。
84: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:48:27.39 ID:EEyFH7CuO
「灯花さん、マシンは実現するための技術が、まだ存在しないはずでは?」。
「あなたの言う通り、技術はまだ存在しないよ。一朝一夕で用意なんて、いくらわたくしでも
無理なんだにゃー。遺体を冷凍保存するのとは違って、現在の技術では、生きている人間を
安全にコールドスリープさせることは、できないんだよ」
85: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:55:46.06 ID:EEyFH7CuO
その後、鶴乃、さな、桜子からは、考える時間が欲しいと返事があった。
織莉子とキリカが帰路に就く時間も迫ったため、その日は解散。
最後にかごめがキリカに取材を行った。
キリカがかごめに語った内容は、自身の存在が織莉子のためにあること、
86: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:56:29.91 ID:EEyFH7CuO
本日はここまでです。続きは明日以降に。
87: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:33:38.64 ID:yMS2cceDO
>>85からの続き
「なぁ、いつまで黙ったままなんだ。何も言うことないのかよ?」
顔を向けられた鶴乃は、思わず目を逸らして呟いた。
88: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:37:06.16 ID:yMS2cceDO
その日、鶴乃は食事を摂る前に帰路につき、さなも部屋へ戻った。
あとに続くように、いろはとういも部屋へ戻ったが、フェリシアは居間に残って考え込んでいた。
いろはたちが部屋に戻ったのを確認すると、やちよが声をかけた。
「……あなたが正しいわ」
89: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:41:37.64 ID:yMS2cceDO
二回目の織莉子との会合を終えた翌日。
鶴乃はいつもの時間にみかづき荘に現れず、考えが纏まるまで来訪を控える連絡があった。
さなも家出をしたはずの義実家に戻り、鶴乃と同じ理由で一時的にみかづき荘を離れた。
折り合いがついたら戻るという二人の言葉を信じ、桜子のことは灯花とねむが引き受けたが、
桜子が本の中に入ったきり、外に出てこないという連絡が入った。
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