33:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:28:32.63 ID:XVB8s0iW0
この件は穏便に済ませることはできなかった。
なぜなら四元徳は、ジュベレウスに正式直訴する前に
その旨を天界中に宣言したからである。
彼らはあえて天界全派閥を巻きこんだ騒動とすることで、
34:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:03.20 ID:XVB8s0iW0
天界からのロダン離脱、この具体的な経緯は不明である。
例によってジュベレウスとロダン本人のみが知り、
両者とも口を噤んだからである。
ロダンに反感を抱いていた者たちは、
35:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:30.05 ID:XVB8s0iW0
ロダンの魔界入りを阻む者はなく、
むしろ魔側から大変歓迎された。
もともと非魔族が魔に転じる、というのは珍しいことでもなかった。
かつて原初世界群が崩壊した頃、様々な理由で
36:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:59.49 ID:XVB8s0iW0
魔族がロダンに求めた知識は
やはり第一は武力の糧になり得るものであったが、
それ以外の分野でも気に入りさえすれば貪欲に吸収した。
特に天界風の荘厳な様式は魔族にとっても受けいれやすく、
37:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:30:25.83 ID:XVB8s0iW0
しかし結局のところ、これら知識とその影響は
魔族にとってほとんど遊興の域を出なかった。
生存と戦争遂行のため、
という必要に迫られて構築された天界の統治体制とは異なり、
38:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:30:55.77 ID:XVB8s0iW0
ともかく、ロダンの魔界入りはこのように歓迎はされ
彼もしばらくは識者として振舞った。
天界離脱によって力を失ったため、
有力悪魔たちの支援と守護が必須だったからである。
39:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:31:23.82 ID:XVB8s0iW0
「破壊」たるスパーダは、全魔族中もっとも武力探求に貪欲であり
それゆえ武への嗅覚もきわめて優れていた。
その鼻がロダンの隠された力を嗅ぎつけたのである。
そしてスパーダは、純粋に強者との死闘に惹かれて
たまらず彼を強襲した。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:31:55.52 ID:XVB8s0iW0
侵犯者たちは最後まで殺し合おうとはせず、
途中で引き下がったとも言われる。
だが決して手抜きの遊興ではなく、彼ら自身が全力で挑んだのは事実である。
そしてロダンが二勝二引き分けという結果を出したのも事実である。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:32:29.31 ID:XVB8s0iW0
こうしてこの大騒乱は収拾された。
ロダンが完全体となっていれば侵犯者を滅ぼしていた可能性もあり、
さすれば天界の勝利として幕切れを迎えていたかもしれない。
しかしその未来は、魔族の気まぐれかつ狂気的な闘争性によって打ち砕かれた。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:32:59.44 ID:XVB8s0iW0
7 決着
天界にとって起死回生になり得たロダン騒乱も収束し、
最終戦争もいまや佳境、魔の優勢で展開していた。
43:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:33:30.84 ID:XVB8s0iW0
彼女は全力を解き放って出陣した。
一方で侵犯者四柱も驚きつつも恐れることはなく、
喜んでこの究極の決闘に応じた。
この決闘は、その後の世界全てを左右した重要な戦いであるにも関わらず、
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