36:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:59.49 ID:XVB8s0iW0
魔族がロダンに求めた知識は
やはり第一は武力の糧になり得るものであったが、
それ以外の分野でも気に入りさえすれば貪欲に吸収した。
特に天界風の荘厳な様式は魔族にとっても受けいれやすく、
魔族独特の美的感覚と融合しつつ瞬く間に広まった。
侵犯者の中では特にムンドゥスが気に入り、
己の外見をも天界様式に創り変えてしまうほどであった。
この時から彼はもとの醜悪な姿を隠し、
のちに知られる、天界の神族を思わせる容姿に成ったのである。
くわえて天界風の宮殿も創り、そこを自らの居城とした。
またムンドゥスのような支配欲のある悪魔たちは、
天界式の組織統制の知識も学び、己の勢力基盤に組みこみ、
「統治」という行為をも成し始めた。
これらはある種の「文明化」現象を魔界にもたらした。
それ以前にも有力悪魔たちは自勢力の「領分」を主張し、
「軍勢」を作ることもあったが、この時以降ようやく
それらの組織と管理が実態を伴うものとなったのである。
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