28:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:25:59.11 ID:XVB8s0iW0
6 最初にして最強の堕天者
ジュベレウスは、厳密には天界統治者の身分ではなかった。
実際の天界統治は、彼女から権限を授かった別の者が担っていた。
29:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:26:28.08 ID:XVB8s0iW0
そしてそのジュベレウスも認める力量によって、彼は天界統治を担った。
多才ゆえに業務も体制管理だけではなく、
原初時代の知識を集積しての保存作業から、神殿や聖域の設計、
果てには日常細事の相談役まできわめて多岐にわたった。
30:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:26:54.35 ID:XVB8s0iW0
しかし、当初はそのような噂など些末事であった。
戦争前期における天界の圧倒優勢、
それへの彼の多大な貢献はこの陰を容易く掃っていた。
だがクイーンシバが目覚め、「魔界」が完成し、
31:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:27:20.97 ID:XVB8s0iW0
しかしこれはあくまで噂、
そして天界の結束は噂程度で揺らぐものでもなかった。
また、疑念を抱きつつも彼を慕う者も多く、反感一色とも程遠かった。
だが結果から言うならば、彼は失脚を免れなかった。
32:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:28:01.97 ID:XVB8s0iW0
個々の武力はロダンのみならず他の神々にも劣っていたが、
彼らはジュベレウスによって創り出されたために
彼女の恩恵を特に強く受けられ、
その光の意志に沿うかぎり、力量を超えた絶大な力を扱うことができた。
いわば彼らは、ジュベレウスの超越的な武力を代理行使できた。
33:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:28:32.63 ID:XVB8s0iW0
この件は穏便に済ませることはできなかった。
なぜなら四元徳は、ジュベレウスに正式直訴する前に
その旨を天界中に宣言したからである。
彼らはあえて天界全派閥を巻きこんだ騒動とすることで、
34:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:03.20 ID:XVB8s0iW0
天界からのロダン離脱、この具体的な経緯は不明である。
例によってジュベレウスとロダン本人のみが知り、
両者とも口を噤んだからである。
ロダンに反感を抱いていた者たちは、
35:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:30.05 ID:XVB8s0iW0
ロダンの魔界入りを阻む者はなく、
むしろ魔側から大変歓迎された。
もともと非魔族が魔に転じる、というのは珍しいことでもなかった。
かつて原初世界群が崩壊した頃、様々な理由で
36:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:29:59.49 ID:XVB8s0iW0
魔族がロダンに求めた知識は
やはり第一は武力の糧になり得るものであったが、
それ以外の分野でも気に入りさえすれば貪欲に吸収した。
特に天界風の荘厳な様式は魔族にとっても受けいれやすく、
37:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:30:25.83 ID:XVB8s0iW0
しかし結局のところ、これら知識とその影響は
魔族にとってほとんど遊興の域を出なかった。
生存と戦争遂行のため、
という必要に迫られて構築された天界の統治体制とは異なり、
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