佐藤和真「一応、父親だからな」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:40:48.84 ID:zvI7aI9oO
Some people feel the rain.Others just get wet.
(雨を感じられる人間もいるし、 ただ濡れるだけの奴らもいる)

ボブ・マーリー

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:43:27.06 ID:zvI7aI9oO
「おい」

昼近くになるというのに寝巻き姿でソファにだらしなく寝そべり、うつらうつらとしているそいつを睨んで僕は訊いた。

「なんであんたは働かないんだ?」
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:45:17.40 ID:zvI7aI9oO
「はあ……」

ちっとも父親らしくない奴に頭を撫でられてちょっと嬉しくなってしまった自分に嫌気が差して、早く母上が帰ってこないかなと溜息を漏らすと見透かしたように。

「お母さんに会いたくなったか?」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:47:53.43 ID:zvI7aI9oO
「おーい」
「止まれ、何者だ!?」

大手を振って王城にかかる石橋を守る衛兵に声をかける父。完全に不審者であり、当然衛兵は警戒した。僕もジロジロ見られて怖い。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:51:50.01 ID:zvI7aI9oO
「おっ。見えて来たな」
「あそこに、母上が……?」

王都の外れのスラム街。そこでは乱闘騒ぎが起こっていて、怒号と暴力によって満たされていた。母上を助けないと。でも足が竦む。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:53:08.11 ID:zvI7aI9oO
「母上、かっこよかった!」
「そうだろうそうだろう!」

帰り道。僕は母上を褒め称えると嬉しげに。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:54:17.36 ID:zvI7aI9oO
「……あのさ」
「ん? どうかしたか?」

アクセルの街に戻り、屋敷までの道中も父はずっと抱っこしてくれて、僕が思っているよりもずっと父は力があり、体力もあるのだと実感して、弱音を吐いた。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/01(火) 23:55:40.74 ID:zvI7aI9oO
「大切なのは、何が出来るかだ。弱い俺でも魔王くらいは倒せた。俺よりも強い奴は大勢居るが、そいつらには魔王は倒せなかった」

父の言葉は難しい。難しいけど大切な言葉。

「ロロティーナ。俺が魔王を倒したように、お前にしか出来ないことをすればいい」
以下略 AAS



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