スズカ「私のトモは触らないんですか?」沖トレ「え?」
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1: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:02:37.60 ID:1GGB012h0
「ですから、私のトモは触らないんですか?」

「何の……何の事だスズカ?」

 突然かつ衝撃の言葉に理解が追いつかず、待ってくれと片手をあげて制止する。しかしスズカはそんな俺の“逃げ”を許さずにすかさず“差し”た。

「スぺちゃんとマックイーンのトモを触りましたよね? 私のトモは触らないんですか?」

「お、おう……」

 いつも通りのスズカだった。静かで聞く者を落ち着かせるスズカの声音だ。粛然《しゅくぜん》とさえ言える。そんな彼女が不思議そうに俺を見上げていた。
 さて、どうしたものか。いつも通りの様子で尋常ならざる事を言い出した教え子に、俺はいったいどうすればいいのだろうか?

 頭を抱えたくなる気持ちをなんとかこらえていたら、気がつけば天を仰いでいた。

 天井付近に位置する小窓から、太陽の光が差し込んでいるのが見える。キレイ好きのスカーレットが号令をかけて定期的に清掃をしているが、太陽に当てられたホコリがチラホラと舞うのが確認できた。

 楽しそうだなと、間抜けな気持ちが芽生える。俺もそこに行きたいと、切実な想いを抱く。
 するとホコリと一緒に舞っていた相手が見えてきた。キラキラと光り輝くそれは、小さな小人だろうか。幼少の頃に誰もが想い描く妖精たちが、そっと手を差し出してくる。

――貴方も私たちと踊りましょう。

「ああ、待ってくれ。俺も今行くから」

 そして俺は日の光を浴びるために外へと駆け出し――

「私の方が足が速いです」

「うおっ!?」

――あっさりとスズカに回り込まれてしまった。

「くっ、ごまかせなかったか」

「あ、演技だったんですね。良かった。このまま行かせてしまったら、トレーナーさんの心がどうかなってしまうと思って止めたんですけど」

「ああ、心配してくれてありがとうスズカ」

 でも心配してくれるのなら、突然妙な事を真剣に言い出さないでほしいと言いたかった。

「ふふ」

 しかしお礼を言われて満足げなスズカを前にしたら言えるわけがない。


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2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:04:12.11 ID:1GGB012h0
 そうだ、スズカはちょっと――いや、かなり天然なところがある。私のトモは触らないんですか、何て事を言い出したのもスズカにしかわからない理由があるんだろう。そしてそれは決して不純な理由なわけがない。

「あのな、スズカ。まるで自分のトモを触ってほしいというか、触っていない事を責めているように聞こえたんだが」

「別に触ってほしいわけでも責めているわけでもありません。トレーナーさんが下心があってああいったコトをしているわけでもないのはわかっています。でも……」
以下略 AAS



3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:05:01.04 ID:1GGB012h0
「あの……大丈夫です、トレーナーさん。私ちゃんと反撃しますから」

「俺が大丈夫じゃないんだよ!」

「トレーナーさんを一方的に悪者になんかしませんから」
以下略 AAS



4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:06:02.80 ID:1GGB012h0
 目の前に迫った強風に前髪を煽られながら両手を上げて降参する。それにスズカは目を輝かせて喜んでくれた。 

 その年頃の少女相応のはしゃぎ方は、脅迫で得られた結果に喜んでいる事に目をつむりさえすればほほ笑ましいものだった。脅迫された当事者である俺にしてみれば頭が痛くなるが。
 教育者として注意すべきだろうかという考えが少しよぎる。しかしそれは、スズカの淑《しと》やかなのにマイペースという彼女らしさを損ねかねない。

以下略 AAS



5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:07:25.99 ID:1GGB012h0
 顔を赤らめているだけでもマズいのに、目をつむって小刻みに体を震わせている少女――それも自分の教え子のトモを触れと?

「はあ……じゃあ触るからな」

 深く考えなくてもマズい状態だ。こんな状況さっさと終わらせてしまおう。
以下略 AAS



6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:08:09.51 ID:1GGB012h0
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以下略 AAS



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