スズカ「私のトモは触らないんですか?」沖トレ「え?」
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5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:07:25.99 ID:1GGB012h0
 顔を赤らめているだけでもマズいのに、目をつむって小刻みに体を震わせている少女――それも自分の教え子のトモを触れと?

「はあ……じゃあ触るからな」

 深く考えなくてもマズい状態だ。こんな状況さっさと終わらせてしまおう。

 これが最後だとスズカのトモに手を伸ばす。目をつむっていても気配を察したのか、スズカの体がピクリと反応しかける。しかし踵《かかと》が浮き上がりかけはしたが、その場から動く事はなかった。

「……ん……ンッ」

「……っ」

 頭上から恐怖と緊張を押し殺した、つやのある声が下りてくる。スズカの緊張が俺にも移ってしまったのか、トモを触ろうとする手がぎこちなく震えた。

「お願いします……トレーナーさん」

「ああ……わかった」

 トモを触る直前で止まってしまった俺を、スズカが濡れたような声で促す。その声からは恐怖と緊張が伝わってきたが、それ以上に俺への信頼が込められていた。こんな声で頼まれたのなら、男として腹をくくるしかない。

 俺はついに、ジャージの布で隠されたトモへと手を伸ばし――

「おっつかっれさーん! ゴルシちゃん登場で――あん?」

「ちょっと、入口で立ち止まらないでくださいまし、ゴールドシッ…………え?」

「あ……」

 トモに指先が触れた辺りで勢いよく扉が開かれた。
 扉から差す日の光は、そこに立つゴルシとマックイーンの姿を照らし出す。二人の後ろにはさらにウオッカ、スカーレット、スぺ、テイオーの姿も見えた。

 一瞬――しかし永遠にも思える静寂が場を包んだ。
 頬を赤らめてかすかに涙ぐんだ様子の女生徒と、その脚を今まさに触ろうとしているトレーナー。それを目撃してしまった少女たち。
 次に何が起きるのかを理解して、俺は静かに覚悟する。

「まっ――」

 スズカが制止しようとしたが、ターフの上のように駆ける四つの影を止めるには遅かった。

『うおらあああああぁぁぁっっ!!!』

「ごふぉ……っ」

 ゴルシ、テイオー、ウオッカ、スカーレット四人による蹴りは、かつての公園と同じように人ひとりを吹き飛ばすには十分すぎる威力である。しかしあの時と違うのは――

「この……っ」

 宙に舞うこの体を受け止めるのが地面ではなく、回り込んでいたマックイーンであったこと。

「痴れ者がああああぁっっ」

「ぬぐがあああああぁぁぁっっ」

 俺の体を背中越しで受け止めるや否や、自らの両肩を支点として俺の体を海老反《えびぞ》りにさせる。
 プロレスの大技アルゼンチンバックブリーカーだ!

「トレーナーさあああぁぁん!」

「え、あのスズカさん。これってもしかして……え? 待って皆!」

 意識を失う俺が最後に見たのは、泣きながら俺に駆け寄るスズカと、一連の事態で真っ先にスズカに駆け寄っていたであろうスぺの……すがた……だった……。



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