スズカ「私のトモは触らないんですか?」沖トレ「え?」
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2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/02/19(土) 06:04:12.11 ID:1GGB012h0
 そうだ、スズカはちょっと――いや、かなり天然なところがある。私のトモは触らないんですか、何て事を言い出したのもスズカにしかわからない理由があるんだろう。そしてそれは決して不純な理由なわけがない。

「あのな、スズカ。まるで自分のトモを触ってほしいというか、触っていない事を責めているように聞こえたんだが」

「別に触ってほしいわけでも責めているわけでもありません。トレーナーさんが下心があってああいったコトをしているわけでもないのはわかっています。でも……」

 ここで初めてスズカは不満気な表情を見せる。

「……女性の足を触るのは、親しい間柄であっても相手の了承が無ければ許されませんよね? それほどのコトをスぺちゃんたちにはしているのに私にはしていません。それがこう……何と言いますか、胸がモヤモヤして……どうしてだろうと思って訊いたんです」

 その表情は何が原因なのか自分でもよくわかっていないため、それがさらに不満を募らせているように見えた。
 それにしても……スピカのメンバーは全員同じぐらい気を配って指導するよう心掛けていたが、よもやこんな事で不平等感を抱かれようとは。

「聞いてくれスズカ。俺がトモを触るのはまだ走っている姿を見た事が無い奴だけだ。いや、スぺだけは二回触ったが、アレはアイツがダイエットなんて言い出したからその場のノリというやつだ。スズカの走りを十分に魅せてもらっている俺が、今さらトモを触る必要なんてないだろ?」

「それは……そうかもしれませんが」

 俺の言葉を理解はしたものの、納得はしていない様子だ。アプローチを変える必要があるな。

「それにスズカは俺がトモを触っても反撃できないだろ。俺がつい“スズカはどういう走りをするんだろう”という興味を抑えられなくてトモを触ったとしよう。それに恥ずかしいとか気持ち悪いと感じたのに反撃しなかったら、俺が一方的に悪者になるじゃないか」

「……トレーナーさん。下心が無いとはいえ、断りなく女性の足を触るのはどのみち悪者だと思います」

 スズカのもどかしそうな表情が、困ったような笑みに変わる。よし、最初はどうしたものかと困惑したが、何とか解決――

「……つまり反撃できるのなら触ってくれるんですね?」

「……スズカさん?」

 胸を撫で下ろしたのもつかの間のこと。
 スズカの口から小さいが、決して聞き逃す事ができない不穏な言葉が漏れる。

上ずった俺の声をかき消すように、風切り音が部屋で鳴り始めた。

「こう……でしょうか?」

 ブォン、ブォンと。左手を左右に振って、平手打ちの練習をするスズカの姿がそこにあった。

――最高速度70キロ。それは脚力だけで生み出せるものではない。脚の動きに連動した腕ふりによるリズムと推進力が不可欠だ。

 G1ウマ娘の平手打ちともなれば、人の首をへし折るぐらいは容易《たやす》い。

「よし……! トレーナーさん、どうぞ」

 満足のいく平手打ちができるようになったのか、スズカは満面の笑みを浮かべながらこちらへと手を広げる。

 それは何だ? 何を意味する? この通り反撃(致命傷)できるようになったから、遠慮なくトモを触ってくれという意味なのか!?

「できるか!」

「……え?」

 俺の当然の叫びはスズカには予想外だったようで、不思議そうに首をかしげている。


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