藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」
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51:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:02:28.91 ID:/ZuqsV3u0
なるほど。
それはお嬢さまも、きっと喜んでくれる。
「分かりました」
52:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:04:35.55 ID:/ZuqsV3u0
私は気づいた。
なかなか釣りも、悪くないものだ。
それは、ヒーリングスポットが精神衛生上良いとか、自然に触れて贅沢な時を過ごすとか、そういった理由からではない。
「肇さん」
53:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:07:12.11 ID:/ZuqsV3u0
「釣りよりも、陶芸の方が私には向いているのかも知れません」
一つ目は、そう――。
暇という空白が好きではない私にとっては、何かしら手を動かし続けるものの方が性に合っていると考えたこと。
54:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:09:22.40 ID:/ZuqsV3u0
先に述べた二つの理由など、残された一つに比べれば単なる建前だ。
それは私にしか知る由のない事。
彼女の与えてくれる気遣いに、すっかり甘えてしまう私がいる。
それについて、いつかお返しをするチャンスを見出せたなら。
55:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:10:11.84 ID:/ZuqsV3u0
* * *
「お土産、ですか?」
備前焼、きびだんご、マスカット――。
56:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:11:37.59 ID:/ZuqsV3u0
首を傾げる私を見て、ちとせさんはクスクスと楽しげに笑います。
この人は、度々こういう所があります。
小悪魔的、というのでしょうか。
57:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:14:33.35 ID:/ZuqsV3u0
徳島出身である颯さんや凪さん、そして、岡山出身の悠貴さんや私に、他の方々やPさんが配慮してくれたとのこと。
確かに、大阪なら東京と比べ、私達の故郷にいるファンの人達も参加しやすいでしょう。
私もその気になれば、実家に帰ることもできる距離です。
58:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:16:28.81 ID:/ZuqsV3u0
自画自賛、と言えばそれまでですが――大阪公演の本番は、無事に大成功を納めました。
「やったね、肇ちゃん!」
「はい……!」
59:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:18:51.07 ID:/ZuqsV3u0
宿泊先のビジネスホテルから少し離れた洋食屋さん。
ライブ終了後の打ち上げ用に、予め貸し切っていたというその席で、功労者である美嘉さんはPさんに話を切り出しました。
「まぁ、是非も無いが」
60:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:22:43.24 ID:/ZuqsV3u0
「うーん……じゃあ、次はプロデューサーさんも私達と一緒に遊んでくださいね!
大阪とは言わないまでも、公園でランニングとかっ」
「ダー。プロデューサー、アビシャーニェ……アーニャ達との約束、ですね?」
悠貴さん達の提案に、Pさんは苦笑しながら応えます。
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