53: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:50:14.57 ID:YjVwo2WmO
*
「水元ちゃん、今日は調子悪かったじゃないの」
向かいの少し日に焼けた男が、ハヤシライスを食べながら口の端を上げた。それを聞いた、隣の禿かかった男が苦笑する。
54: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:51:08.39 ID:YjVwo2WmO
「ったく、ケチくさいな」
「ハハハ、さすがに今日のラウンド代と飯代は俺が奢るよ」
55: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:51:45.35 ID:YjVwo2WmO
「水元ちゃん、まだ、気にしてるのか」
低く、小さな声で丸井が私に言った。
56: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:52:12.81 ID:YjVwo2WmO
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ゴルフから帰った私は、書斎のノートPCを開いた。休日でも会社から連絡は来る。メールに一通り目を通してから、夕食を採るのが私の習慣だ。
大体は工事の進捗状況に関するメールだったが、その中に見慣れないアドレスがあった。
……フリーメール?スパムメールは弾く設定になっていたはずだが。
57: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:52:47.43 ID:YjVwo2WmO
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水元様
突然のメール、大変恐縮です。身分は明かせませんが、私のことはアイとお呼び下さい。
58: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:53:23.05 ID:YjVwo2WmO
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……何だ、これは。
59: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:53:49.96 ID:YjVwo2WmO
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60: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/26(日) 19:56:15.81 ID:YjVwo2WmO
本日はここまで。今後は俊太郎、由梨花、そして水元の3人の視点で基本展開します。
次回は来週末の予定ですが、余裕があれば木曜ぐらいに投稿するかもしれません。
61: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/28(火) 23:18:07.92 ID:AjfzXomJO
予定より早いですが、投下します。
62: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/28(火) 23:18:34.32 ID:AjfzXomJO
63: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/28(火) 23:19:22.64 ID:AjfzXomJO
大学に入って感じたのは、授業がつまらないということだ。
程度が低いわけではない。ただ、大講堂で遠くから講義を聞くだけの、受け身の授業は退屈さしか感じない。
週に何回かある実験も、さほど僕の心を興奮させるものではない。教授が求める答えを、ただ実験で導きだすだけだ。
教養課程ーーリベラルアーツというものは、こういうものなのかもしれない。ただ、理系でゼネラリストを育てようとすることに、何の意味があるのかは甚だ疑問だった。
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