317: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 22:15:50.25 ID:CwWc8uazO
呆然と座るわたしに、彼女は訊いてくる。
「ちなみに、私が誰か分かる?」
「…………………ほんっとうにごめん。わたし、あまりテレビとか見ないんだ。でも、歌は聞いたことある! 何かで聞いたことあるよっ」
318:名無しNIPPER[sage]
2021/09/26(日) 22:25:44.39 ID:mKRVc0S00
3
319: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 23:36:35.82 ID:CwWc8uazO
【>>318
3. 歌を教えてもらう】
ペンを握る手を止め、彼女は告白を始める。
320: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 23:38:09.89 ID:CwWc8uazO
「わたしに音楽のことを教えてください」
「…………はい?」
321: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 23:38:51.32 ID:CwWc8uazO
「でも、どうして急に? 春宮さんって自分の弱点的なところを人に話すのはしないタイプだと思った」
「周りを頼り辛いな、っていうのはあるかも。でも、雨宮さんが先にバレたくないことを告白してくれたから、かな。これでお互いが周りにバレたくないことを知っている、みたいな?」
322:名無しNIPPER[sage]
2021/09/27(月) 01:19:50.24 ID:IhMxGGho0
あ
323: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/27(月) 22:00:46.42 ID:GIad6ZCMO
【>>322
4:自由行動終了】
あっという間に雨宮さんとの勉強会の時間は過ぎ、その後わたしは一色くんの部屋で部活動組の勉強を見る。
そんなルーティンワークをこなした後、夕食やシャワーを浴びたりと寝る前の準備をすると日付が変わる直前になっていた。
324: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/27(月) 22:01:20.92 ID:GIad6ZCMO
知っている分、隠し通すことを第一に考えなければならない。もし何かの拍子にバレることがあれば、友情に亀裂が入る。
何も知らずに「雨宮さんって白石詩波ってアイドルに似てない?」とわたしから発言するリスクが事前に回避できただけ御の字とポジティブに考えるべきか。
気軽にサインが欲しいと言ったものの、部屋に飾ることはできない。誰かが部屋へ来たとき、それは決定的な証拠になりかねない。
「でも……」
325:名無しNIPPER[sage]
2021/09/27(月) 22:54:07.40 ID:LWsIda2YO
2ー8
326: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/27(月) 23:33:05.60 ID:GIad6ZCMO
【>>325
2-8:四条夏帆】
週末の土曜日。
わたしはケヤキモール内のスーパーで夏帆先輩と待ち合わせしていた。予定よりも10分ほど早く着き、今は端の方で携帯を触っている。
327: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/27(月) 23:33:32.86 ID:GIad6ZCMO
結局、先輩とスーパーをまわった時間は5分程度と、熟練者のそれを感じさせた。お肉、野菜、そのどれもが一瞬で見極められる。調味料は先輩の部屋にすべて揃っているにしても、非常に迅速な買い物だった。
「良いお肉があって良かったです」
「……そうですねっ」
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