320: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 23:38:09.89 ID:CwWc8uazO
「わたしに音楽のことを教えてください」
「…………はい?」
雨宮さんは首を傾げた。
確かに支離滅裂なことを言ってしまったなと思う。
改めて一から告白することにする。
「わたし、料理と音楽が出来ないんだよね。料理に関しては、生徒会にすっごく上手な先輩が居てね、現在進行形で教わっている途中」
「あー、なるほど。欠点の音楽を私から教わることで補おうと?」
「端的に言ってしまうと、そんなかんじ。ダメかな」
すごく率直なお願いに、雨宮さんは大きく笑ってみせた。とは言っても、さすが芸能人。品良く、貞淑に口元を隠して笑っている。
「うん、いいよいいよ。歌でもピアノでもギターでも、割となんでも出来るから。もちろんその道のベテランには及ばないかもしれないけどね。センスを磨くって話なら私でも役に立てると思う」
「ほんと? よかったぁ」
交渉材料として分かりやすいポイントを献上して講師をして貰うプランも考えていたが、彼女は快く引き受けてくれた。
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20